CC2014年3月号掲載【“本人のしたいこと”に焦点を当てる 柔軟で融通無碍な「生活リハビリ」〜滋賀県湖北の「訪問看護ステーションれもん」――久木ひろ美さん】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.29〉
【本人のしたいことに焦点を当てる柔軟で融通無碍な生活リハビリ

〜滋賀県湖北の「訪問看護ステーションれもん」

――久木ひろ美さん】

 

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写真1 ‌Kさんのお宅にて。

壁にはご主人とKさんの似顔絵や写真が笑っています(左)

写真2 ‌キーボードを弾くBさんと、歌う久木さん。

リハーサルで生き生きしています

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)
身近な超高齢者トリオ。1人はグループホームで健康を取り戻し、在宅老々暮らし組は、ヘルパーさんも訪問看護も卒業して、デイサービスに挑戦することに。私は毎日新聞の日曜版の月1回連載は4月以降も延長になり、楽しく書いていきます。

 ドイツやオランダで感心した「柔軟な在宅ケア」を日本でもいっぱい発見中です。本シリーズ2回目に登場した滋賀県の久木ひろ美さん。定年前に転身し、訪問看護ステーションが足りない湖北地域で「れもん」を立ち上げました。利用者さんに沿った、柔軟で融通無碍な「久木流ケア」を探訪します。

 2013年11月、「世界の訪問看護」をテーマに講演するために長浜市を訪ねた折に、久木さんの訪問看護に同行するという念願がかないました。
穏やかな琵琶湖の向こう岸に、なだらかな山々が重なる美しい景色は感動的。訪問車は山中までも分け入って、点在する利用者さんのお宅へ走ります。 続きを読む…

CC2014年1月号掲載【家庭医は“全科診療”の実力を備え多職種チームケアで息長く イギリス・リーズ市郊外の日本人家庭医療専門医—— 澤憲明さん】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.28〉
【家庭医は“全科診療”の実力を備え多職種チームケアで息長く

イギリス・リーズ市郊外の日本人家庭医療専門医—— 澤憲明さん】

 

写真1 診察風景

写真1 ‌イギリス中部の古都リーズ市郊外にある「スチュアートロード診療所」にて、澤医師(右)の外来診療

 

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写真2 ‌同診療所にて。看護師(左)も診療室を持ち、日常的・基本的な外傷ケアや慢性疾患の定期的管理を担当。禁煙・避妊などの専門外来も行う

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)
昨秋は日本にいながらにしてフランス・イギリス・オランダ・デンマークのケアと教育を学びました。滋賀と石川への旅では地元のケアに感動! 今年は、日本と世界と織り交ぜてご紹介します。 mkimiko@mbf.nifty.com

 

これから“在宅ケア重視”へと進む日本。かかりつけ医・総合診療医が重要になります。それはどのような役割なのでしょう? 前回の“ドイツの家庭医”に続き、今回はイギリスで家庭医療専門医として活躍する澤憲明さんに聞きました。

イギリス中部にある落ち着いた古都リーズ市郊外の小さな町・ポンテフラクトには、人口約3万人に対して家庭医診療所が3つあります。その1つ「スチュアートロード診療所」が、澤さんの職場です(写真1)。ここは5人の家庭医によるグループ診療で、登録している住人は約8500人。その人たちから連絡があれば、何でもまずは診て、多職種連携チームで対応します(写真2)続きを読む…

CC2013年11月号掲載【地域看護師とがっちり協力日常的な病気に幅広く対応――ドイツの家庭医】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.27〉
【地域看護師とがっちり協力日常的な病気に

幅広く対応

――ドイツの家庭医】

 

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待合室。子ども用のかわいい椅子とテーブルがあり、絵本やおもちゃも置いてある

 

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写真2

診察室。テーブルを挟んで手前に患者、向こう側に医師が座る。左手にはもう1つの診察室に通じるドア。右手にはベッド

 

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診察室にあるもう1つのベッド。クリニックで心電図や超音波、血液検査などができる

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)

遠距離在宅ケアの超高齢者3人は、ケアチームのおかげで落ち着いています。1人はグループホームで平穏。2人暮らし組は、トイレが自力でだいぶできるようになり、身体介護は休止。訪問看護と訪問診療、シルバーサービスの家事援助です。

mkimiko@mbf.nifty.com

 

地域包括ケアのキーパーソンとして注目が高まるかかりつけ医。欧州では「家庭医」と呼ばれ、英国・オランダ・デンマークなどで地域の看護師らと協力チームを組んで、日常的によくある病気や健康問題の大半に対応します。私もドイツで家庭医にかかり、良さを実感しました。 続きを読む…

CC2013年9月号掲載【地域・病院・施設の多職種で同じメロディ奏でるオーケストラ連携】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.26〉
【地域・病院・施設の多職種で

同じメロディ奏でるオーケストラ連携】

英国ホスピスの地域看取りケアサポート

 

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ヨークシャーのホスピスの医師控室。近隣病院から訪問診療に来て、熱心に記録中

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)

超高齢者3人の遠距離在宅ケア右往左往中。ケアマネ、訪問看護・介護・診療・薬局が頼もしい。ショートステイは、前日に本人の「行きたくない」の一言でキャンセル。申し訳ないです! mkimiko@mbf.nifty.com

 英国の看取りケアをリードするのは、何といってもホスピス。前回(2013年7月号)の「エンドオブライフケア・ストラテジー(終末期ケア戦略)」もホスピスの知恵のたまものでした。今回は、英国のホスピスが“地域看取りケア”をがっちりサポートしている様子を、ご紹介しましょう。日本にもよさそうなヒントも見つかりそうです。
※‌2008年に行われたロンドンホスピス研修(企画:ホスピスケア研究会・季羽倭文子顧問)を軸に、2006〜2012年に行った取材を加えて作成しました。 続きを読む…

CC2013年7月号掲載【ホスピスの知恵を生かして地域・病院・施設の看取りの質向上】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.25〉

【ホスピスの知恵を生かして地域・病院・施設の看取りの質向上】

英国の「エンドオブライフケア・ストラテジー(終末期ケア戦略)」

 

 

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「エンドオブライフケア・ストラテジー(終末期ケア戦略)」は160ページ以上もある充実の内容

 

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)

超高齢者3人の遠距離在宅ケアを初体験中。ケアマネジャー、訪問看護や介護、訪問診療、小規模多機能型居宅介護、シルバー人材センター、デイサービスの助けを得つつ右往左往中。

ご感想は mkimiko@mbf.nifty.com まで。

 

 

在宅での看取りが求められています。でも家族介護力は弱まるばかり。新たな看取りの知恵の開発が必要でしょう。そこで、ホスピスの知恵を在宅・病院・施設に応用して、看取りの質向上を! と取り組む英国の「エンドオブライフケア・ストラテジー(終末期ケア戦略)」が参考になりそうです。英国各地のホスピスや地域保健センターでの取材を基にご紹介します。
※‌2011年11月号62ページ「ロンドン北部地域の看取り支援ネットワーク」の記事も併せてご参照ください。

 

どこでも、どんな病気の看取りでも

 

英国で全国的に取り組まれている「エンドオブライフケア・ストラテジー」(写真1)。ごく簡単に説明すると、以下のようになります。

  • 人生の最期に、自宅・病院・施設どこでも、ホスピスのような質の高いケア提供をめざす
  • がんだけでなく、生命を脅かす病気すべてが対象(HIV/AIDS・心不全・呼吸不全・腎不全・脳梗塞・神経難病・運動ニューロン病など) 続きを読む…