トシコとヒロミの往復書簡 第5回

本連載では、聖路加国際大学学長の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

 

井部さんイラスト右向き

 

井部俊子さんから川越博美さんへの手紙

訪問看護師のキャリアをどう考えるべきでしょうか

文:井部俊子

 

 

20年以上たってもあなたのトラウマとなっている病棟婦長(当時)の「よそ者が病院に入ってきて退院指導をするとは」という言動に(少しだけ)心を痛めています。時はたち、現代は地域包括ケアの時代ですから、このような“暴言”を吐く看護管理者はボクメツされたと思います。

 

今回は訪問看護師のキャリアパスについて考えてみたいと思います。あなたは、「新卒の看護師が訪問看護をするのは、今の教育システムでは乗り気ではありません」と書いています。「でも病院で経験を積んだら、若いうちに地域に出てほしい」とも書いています。

 

なぜ新卒看護師が訪問看護をするのは乗り気でないのか、今の教育システムをどのように変えると乗り気になるのか、“若いうち”に地域に出るとはどのようなことなのかなど、詳しくお聞きしたいのですが、ともかく、2014年6月に行われた「訪問看護事業所アンケート調査」をみてみましょう。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2016年2月号)

CC2015年11月号掲載【コミュニティケア探訪・No.39〈最終回〉】の紹介

【住民と語り合う医療 地域病院が軸になる地域包括ケア
一関市国民健康保険藤沢病院――佐藤元美さんと仲間たち】

 

写真1

藤沢病院の外観

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)
皆さまの7年間のご愛読に感謝。これからは、医療介護サービスを、個人が人生の旅路でどのように選択するのかを取材していきます。mkimiko@mbf.nifty.comにメールいただけば、ご案内を送ります。

全国各地で地元の特徴を生かした地域包括ケアが模索されています。その1つ、町内唯一の医療機関が軸となった実践として、岩手県の一関市国民健康保険藤沢病院の院長・佐藤元美さんと仲間たちの「住民と語り合う医療」を探訪します。 続きを読む…

CC2015年9月号掲載【患者中心の面談と対話技法 実践力を育む現場ベースの教育 その2】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.38〉
【患者中心の面談と対話技法 実践力を育む現場ベースの教育
イギリス・リーズ市郊外の日本人家庭医療専門医

――澤憲明さん その2】

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)
この連載がスタートしてから7年目。日本は九州から北海道まで、海外はイギリス、ドイツ、デンマークに香港と、コミュニティケアの現場の生き生きしたうねりや、尊敬する方々のチャレンジをご紹介できて幸せでした。最終回まであと1回です。
mkimiko@mbf.nifty.com

 

患者さんの全科診療の医療面と心理面、さらに家族関係・暮らし・仕事などの社会面も含めて全人的に、多職種チームで継続的にみていくのがイギリスの家庭医。その技や知恵は、日本の地域ケアにかかわる職種にも参考になりそうです。7月号に引き続き、澤憲明さんに話を聞きました。

 

実務密着マンツーマン教育

 

家庭医の現場実践能力は、どこでどのように育まれるのか? それは研修医のときの、臨床現場で実務に密着した指導医のマンツーマンによる教育の賜物。家庭医が専門教育で学ぶことの一端をみていきましょう。 続きを読む…

在宅・施設の“看護力”向上のカギとなるナースからの詳細報告!「コミュニティケア」2015年6月臨時増刊号『地域で生きる“専門看護師・認定看護師”のワザ』看護管理者はぜひ注目したい! “地域のナース”の実践

 

CC1506臨表紙

病院から在宅・施設へ――平成26年度の診療報酬改定で登場した“地域包括ケア病棟”をはじめ、今、“地域”に目を向ける必要性が強くいわれています。そのような中、病院の看護管理者に求められているのは「自院のある“地域”全体を把握して、自院がどのような方向性で“看護”を展開していくか」を考えていく視点です。そして、その“地域での看護”を知るために、まず声をかけて連携をとりたいのが、地域で活躍する専門看護師・認定看護師など専門性の高いナースたち。「コミュニティケア」2015年6月臨時増刊号では、そのようなナース27人からの詳細な実践報告を集めました。

 

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CC2015年7月号掲載【生活を支える“社会的活動の処方”プライマリ・ケアの特効薬イギリス・リーズ市郊外の日本人家庭医療専門医】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.37〉
【生活を支える“社会的活動の処方”プライマリ・ケアの特効薬

イギリス・リーズ市郊外の日本人家庭医療専門医――澤憲明さん】

 

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「暮らしの保健室」での勉強会の様子。
2014年5月の勉強会には、岩手県一関市の藤沢病院院長・佐藤元美さんも日帰り参加。佐藤さんの「社会的活動の処方を澤さんに詳しく聴きたい」という一言からこの日の勉強会となった。
写真右から佐藤さん、澤さん

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)
イギリスから日本に旅行中のマギーズセンターの利用者さんと交流しました。日本でも必要な相談支援だと痛感。ぜひみんなの力を集めてつくりませんか? 7月13日(月)の夜に東京の八芳園でチャリティーパーティーが開かれます。詳細はマギーズ東京HP(http://maggiestokyo.org/)へ。

「家庭医」や「総合診療医」が、日本でも重視されてきました。家庭医療が根付くイギリスで家庭医として働く澤憲明さんは、患者さんの生活を支えるのに“社会的活動の処方”が役立つと言います。日本でも参考になりそうです。2014年1月号の記事も併せてご覧ください。

イギリスの医学部での研修で、家庭医の診察の様子を見た瞬間、澤さんは「患者さんの近くで健康と幸福に貢献できるのは、これだ!」と確信。「家庭医の仕事が大好きで、天職というか、もう病院には戻れない」そうです。

 

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