トシコとヒロミの往復書簡 第6回

本連載では、聖路加国際大学学長の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

 

川越さんイラスト

 

川越博美さんから井部俊子さんへの手紙

病院や訪問看護ステーションで

看護師のキャリアアップを支えていきましょう

文:川越博美

 

 

訪問看護のキャリアパスについてご意見をいただき、ありがとうございました。

 

「新卒看護師を訪問看護師に」という動きは、政策的に、厚生労働省や日本看護協会、全国訪問看護事業協会などが率先して推し進めています。訪問看護師の量と質をどのように確保するかという課題への新しいチャレンジだと思います。

 

私が「新卒の看護師が訪問看護をするのは、今の教育システムでは乗り気ではない」と書いたのは、1人で訪問看護をするには最低限の知識と技術が要求されるからです。訪問看護サービスは、利用の仕方により、また介護保険・医療保険によっても利用料は若干異なりますが、おおよそ1万円のサービスと考えてよいと思います。訪問看護ステーションによってそれぞれ得意分野・特徴があるにせよ、ステーションや訪問看護師によって看護サービスの質が異なるというのは、利用者である国民が許してはくれません。サービスの質を担保するために、訪問看護師に必要な能力を各ステーションで教育できればよいのですが、小規模なステーションが多い現状では経営上の問題もあり、病院で基礎的な知識・技術を習得した看護師を雇用しているのが現状です。

 

そもそも、訪問看護師にとって最低限必要な知識・技術とはなんでしょうか。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2016年3月号)