訪問看護ステーションの経営戦略(18)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

管理者の訪問回数を
ゼロにする売上高とは

渡邉 尚之

 

皆さんは訪問看護ステーション管理者の理想の訪問回数は何回だと考えていますか。管理者なのだから率先してほかのスタッフより多く訪問するべきだと思いますか、それとも請求業務や書類作成業務が多いため、訪問回数を少なくすべきだと考えますか?

 

管理者の理想の訪問回数は0回

今回は訪問看護ステーションの管理者の訪問回数について、経営の観点から考察します。

 

筆者が考える訪問看護ステーションの管理者の理想の訪問回数は0回です。なぜなら、管理者の役割は管理(マネジメント)だからです。

 

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アンガーマネジメント(5)

怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。

 

怒りの原因と思考のコントロール

 

2019年6月号の本連載で、私たちには自分がこうしたい・こうありたい、他者にこうしてほしい・こうあってほしいという期待や欲求があり、感情はこれに伴って生まれると説明しました。

では、怒りはどのように生まれ、私たちはこの感情を抱くとき、何に対して怒りを感じるのか、またその理由はなんでしょうか。

次の例で考えてみましょう。

 

〈事例〉在宅療養を希望する入院患者Aさんについて、病院で合同カンファレンスを開催することになった。ケアマネジャーのあなたは、病院の退院支援担当者と連携して日程や出席者を調整したが、開催予定日の数日前に、キーパーソンであるAさんの長男から都合がつかなくなったと連絡があった。

 

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【編集部オススメBOOKs】vol.43 入退院支援・地域連携の「なぜ」「どのように」がよくわかる!

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アンガーマネジメント(4)

怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。

 

とっさの怒りに対処する
衝動のコントロール

 

アンガーマネジメントは怒りで後悔しないことをめざしています。そこで気をつけたいのが怒ったときにその感情に任せた発言や行動をしないことです。怒りがピークのときは冷静な判断ができず、言い過ぎたり、いき過ぎた対応をしたりしてしまいがちです。そのため6秒間は反応しないということを意識しましょう。これは、怒りの感情のピークは6秒と言われているからです(コミュニティケア2019年5月号本連載参照)。そのピークが過ぎると理性的に考えやすくなるので、6秒間、待つ工夫をして、怒りに任せた言動を避けるようにしましょう。「1、2、3、4……」とゆっくり数字を6まで数える方法が一番簡単ですが、そのほかにも深呼吸をするなど、6秒間待つ方法はいくつかあります。

 

そこで今回は、とっさの怒りに対処するための衝動のコントロールのテクニックを紹介します。

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本人・家族との関わりの悩みはコレですっきり!(4)

「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」をベースとした人間関係「見える化」シートによる分析やアプローチ方法、カンファレンスの進め方について解説します。

 

家族内、援助者と家族の

悪循環パターンに気づき是正する①

 

渡辺 裕子

 

今回も引き続き、利用者ご本人やご家族、あるいは周囲のスタッフとのかかわりに悩んだときに、その困難な状況をどのように理解したらよいのか、必要となる視点についてお話ししたいと思います。今回と次回の2回にわたって考えるのは、「悪循環パターン」です。

 

今回は、ある事例をご紹介します。そして次回は、その事例のその後の展開と事例の持つ意味について、「悪循環パターン」という視点から掘り下げてみたいと思います。なお、ご紹介する事例は、いくつかのエピソードをつなぎ合わせたフィクションであることを申し添えます。

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