訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全
な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会
計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。
未収金管理によって
資金繰りを改善しよう
渡邉 尚之
資金収支への影響が大きい未収金管理
今回は訪問看護ステーションにおける未収金管理について取り上げます。未収金とは、売上が発生したものの、まだ入金されていない状態のお金です。未収金管理は、医療・介護事業経営において重要な課題です。なぜなら医療・介護事業では、小売店や飲食店のように商品の売上と現金の入金が同時に発生するのではなく、通常はサービス提供から実際の入金までに一定の間隔が発生するためです。特に、保険請求に基づく売上と入金には約2カ月のタイムラグが生じます。未収金管理をしっかりと行わなければ「いつ、いくら入金されるか」「現時点での未収金額はいくらあるか」「請求したとおりの金額が入金されているか」などを把握できなくなります。これは法人の資金繰りを悪化させる要因になりかねません。