地域ケアの今⑦ 

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

1602鳥海様

 

「年寄りをなめるな」〜利用者の本音はどこにある

文:鳥海房枝

 

東京都の福祉サービスへの第三者評価では、利用者の意向等を把握するために「利用者調査」をすることを原則にしています。評価機関は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、養護老人ホームなどの高齢者ケア施設へは「面接」で、その他の通所施設などへは「アンケート」で利用者調査をすることが一般的です。

 

私が属しているNPO法人メイアイヘルプユーも、東京都福祉サービス評価推進機構に第三者評価を実施する評価機関として登録しており、利用者面接で高齢者ケア施設を訪問しています。その際、私は利用者と一緒に同じ食事をいただくようにしています。その理由は食事を一緒にすると、職員の利用者へのかかわり方がごく自然にわかるためです。こういった食事場面や利用者面接で出会う高齢者からは、いい意味で“心優しいしたたかさ”を感じます。今回は、そんな高齢者の姿を紹介しながら、老いるということについて考えてみたいと思います。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2016年4月号)

 

 

 

地域ケアの今⑥

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

 地域ケア上野さん

「いちばんたいせつなことは、目に見えない」

文:上野まり

 

昨年、東日本大震災の被災地に連泊した際、はるか昔に見た覚えのある挿絵に出会い、懐かしく思って久々に映画館に入りました。その映画は「リトルプリンス 星の王子さまと私」。以前読んだストーリーはほとんど記憶になかったので、その後、原作本『星の王子さま』(新潮社)を買ってあらためて読んでみました。

 

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トシコとヒロミの往復書簡 第6回

本連載では、聖路加国際大学学長の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

 

川越さんイラスト

 

川越博美さんから井部俊子さんへの手紙

病院や訪問看護ステーションで

看護師のキャリアアップを支えていきましょう

文:川越博美

 

 

訪問看護のキャリアパスについてご意見をいただき、ありがとうございました。

 

「新卒看護師を訪問看護師に」という動きは、政策的に、厚生労働省や日本看護協会、全国訪問看護事業協会などが率先して推し進めています。訪問看護師の量と質をどのように確保するかという課題への新しいチャレンジだと思います。

 

私が「新卒の看護師が訪問看護をするのは、今の教育システムでは乗り気ではない」と書いたのは、1人で訪問看護をするには最低限の知識と技術が要求されるからです。訪問看護サービスは、利用の仕方により、また介護保険・医療保険によっても利用料は若干異なりますが、おおよそ1万円のサービスと考えてよいと思います。訪問看護ステーションによってそれぞれ得意分野・特徴があるにせよ、ステーションや訪問看護師によって看護サービスの質が異なるというのは、利用者である国民が許してはくれません。サービスの質を担保するために、訪問看護師に必要な能力を各ステーションで教育できればよいのですが、小規模なステーションが多い現状では経営上の問題もあり、病院で基礎的な知識・技術を習得した看護師を雇用しているのが現状です。

 

そもそも、訪問看護師にとって最低限必要な知識・技術とはなんでしょうか。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2016年3月号)

 

地域ケアの今⑤ 

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

1602鳥海様

 

利用者本位とは 〜本人と家族の意向をどうすり合わせるか

文:鳥海房枝

 

特別養護老人ホームへの入所が老人福祉法に基づく措置制度だった時代に、私が役所でその担当部署に所属していた際のエピソードを紹介します。母親が特養に入所している男性が窓口にやって来ました。この特養は「家族会」を年4回、平日に開催していました。男性は家族会に参加するために会社を休み、そのついでに役所に立ち寄ったとのことです。そして「本当は身内がすべき尻の世話までしてもらっているのだから、会社を休んででも出席しないと施設長や職員に申し訳ない」と言うのです。これは“入居者は人質”を連想させる言葉であり、「お世話になります」の気持ちを施設側に伝えるために家族会にも“アリバイ参加”している様子が見てとれました。

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トシコとヒロミの往復書簡 第5回

本連載では、聖路加国際大学学長の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

 

井部さんイラスト右向き

 

井部俊子さんから川越博美さんへの手紙

訪問看護師のキャリアをどう考えるべきでしょうか

文:井部俊子

 

 

20年以上たってもあなたのトラウマとなっている病棟婦長(当時)の「よそ者が病院に入ってきて退院指導をするとは」という言動に(少しだけ)心を痛めています。時はたち、現代は地域包括ケアの時代ですから、このような“暴言”を吐く看護管理者はボクメツされたと思います。

 

今回は訪問看護師のキャリアパスについて考えてみたいと思います。あなたは、「新卒の看護師が訪問看護をするのは、今の教育システムでは乗り気ではありません」と書いています。「でも病院で経験を積んだら、若いうちに地域に出てほしい」とも書いています。

 

なぜ新卒看護師が訪問看護をするのは乗り気でないのか、今の教育システムをどのように変えると乗り気になるのか、“若いうち”に地域に出るとはどのようなことなのかなど、詳しくお聞きしたいのですが、ともかく、2014年6月に行われた「訪問看護事業所アンケート調査」をみてみましょう。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2016年2月号)