今シーズンのインフルエンザは例年よりも流行の開始時期が早く、悩まされた方も多いと思いますが、ようやくピークを超えつつあるようです。とはいえ、まだまだ警報レベルの地域も多く、油断は禁物です。
一方、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行は終息に向かっているようですが、高齢者施設などでウイルス感染が発生すると一気にアウトブレイクにつながるため、感染対策は常に必要です。
そこで、今月のオススメ書籍は「感染対策関連本」。正しい対応で施設内のアウトブレイクを予防しましょう。
今シーズンのインフルエンザは例年よりも流行の開始時期が早く、悩まされた方も多いと思いますが、ようやくピークを超えつつあるようです。とはいえ、まだまだ警報レベルの地域も多く、油断は禁物です。
一方、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行は終息に向かっているようですが、高齢者施設などでウイルス感染が発生すると一気にアウトブレイクにつながるため、感染対策は常に必要です。
そこで、今月のオススメ書籍は「感染対策関連本」。正しい対応で施設内のアウトブレイクを予防しましょう。
福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。
プロセスを丁寧になぞると、
期待される看護が見えてくるかも?
文:上野まり
大昔、私が看護師になったばかりのころ、いや、看護学生のころから「看護過程」には悩みながらも慣れ親しんできて数十年がたちます。未熟なまま過ごしてきたにもかかわらず、それを棚に上げて大学や研修会で、看護過程について教授しているのはなんともお恥ずかしい限りです。
研修会などで出会うベテラン看護師の中にも、未だに看護過程に対する苦手意識が拭えない人は多いようです。看護師という専門職だからこそ最も得意としなければならないはずなのに、なぜこんなに難しいのか……と常々思っています。
訪問看護に求められているのは何か
先日、「訪問看護過程の展開」をテーマにした研修会に講師として参加しました。研修会では、1つの事例を用いて参加者全員で看護過程を展開することになりました。事例は架空の50代男性A氏。A氏は脳血管疾患の後遺症を持ち、要介護5の寝たきり状態で、複数の医療処置を受けており、今後も自宅で家族と一緒に生活することを希望しているという設定でした。
本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。
川越博美さんから井部俊子さんへの手紙
病院スタッフの“地域へつなぐ力”
文:川越博美
看護が、政策や制度の作成にかかわる必要性について、井部さんの考えにまったく同感です。また、看護に関連する制度はやはり厚生労働省や日本医師会・日本看護協会などが中心になって動かしているのだと再確認しました。私たち現場にいる者は、療養者や家族の思いに沿ったケアを提供できるよう、制度改革の必要性を訴えます。半面、制度設計者とどのようにコンタクトをとり、物申す機会をつくっていくかは、依然として課題です。
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「病院は忙しすぎて、退院する患者の“生活”が見えにくいのでは?」と感じているナースは多いと思います。では、患者・利用者の「生活」とは、どのようなもので、どう支えていけばよいのでしょうか? そして、なぜ病院では“見えにくい”のでしょうか?
訪問看護ステーションや特別養護老人ホームなど“地域”のナースのための専門誌「コミュニティケア」の2016年11月臨時増刊号では、今まで漠然と使われてきた患者・利用者の「生活」について、訪問看護師や高齢者ケア施設などのナースが密につながっている「生活を支える看護師の会」のナースたちの実践報告を基に考えていきます。
福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。
介護現場へのロボット導入を巡って
文:鳥海房枝
介護現場で課題とされている人材不足や、職員の重労働等を解決する手段になるとして、近年、福祉機器展ではロボットが広いスペースに展示され、マスコミでも大きく取り上げられています。国はロボット産業をわが国の成長ビジネスと位置づけ、力を入れてきたのですが、そこに介護現場の問題が結び付けられ、介護界でもにわかに注目されるようになりました。
この動きについて「ロボットは人手不足の介護現場にゆとりを生み出す一助になる可能性を秘めた技術」と解説する識者もいます。厚生労働省は介護従事者の負担軽減を目的に、都道府県をとおして「介護ロボット等導入支援特別事業」を行っており、これには当初の予想を超える事業所が応募しているようです。導入の対象となるロボットの種類は都道府県により多少の違いはあるものの、大きく分けると5分野(①移乗支援、②移動支援、③排泄支援、④見守り支援、⑤入浴支援)で、介護従事者の負担軽減に効果のあるロボットであることを条件づけています。