精神科病院の訪問看護室で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります
❸似て非なる者こそしゃくに障る
子どものいない人生
ある時期、訪問看護にうかがっていた利用者さんから軽い拒否を受けました。
私が勤める訪問看護室は、利用者ごとに訪問するスタッフを固定していません。いろいろな人と話すのが人間関係のトレーニングになりますし、関係が濃くなって妄想に取り込まれずに済むメリットがあります。
精神科病院の訪問看護室で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります
❸似て非なる者こそしゃくに障る
子どものいない人生
ある時期、訪問看護にうかがっていた利用者さんから軽い拒否を受けました。
私が勤める訪問看護室は、利用者ごとに訪問するスタッフを固定していません。いろいろな人と話すのが人間関係のトレーニングになりますし、関係が濃くなって妄想に取り込まれずに済むメリットがあります。
訪問看護ステーションにおけるBCP(事業継続計画)の
策定、防災・減災対策のポイントを解説するとともに、
実際の事例などをとおして災害時の
対応・危機管理のあり方を示します。
災害対応の基本①
災害対応の原則
「CSCATTT」
寺田 英子
てらだ ひでこ
災害看護専門看護師/認定看護管理者
災害時にサービスを提供し続けるために
近年、地震や風・水害、雪害などの自然災害に加え、2020年初めに発生した新型コロナウイルス感染症のような新興感染症のパンデミックなど、全国各地でさまざまな災害が発生し、人々の命と暮らしを脅かしています。
こうした危機に備えて、企業・団体・医療機関等では災害時にも業務を存続させるために事業継続計画(Business Continuity Plan: BCP)の策定が進められてきました。BCPは、災害や事故などの理由を問わず重要な業務を中断させない、あるいは中断しても、可能な限り短い期間で復旧するための方針・体制・手順等を示した計画のことをいいます。
訪問看護ステーションの事業は、日々継続して行わなければならず、災害時においても、利用者へのサービスを安定的に提供することが重要です。医療・介護サービスの継続は人命に直結するため、災害によって中断されると、結果的に利用者の健康障害につながります。だからこそ、訪問看護ステーションにもBCPの策定が求められます。
本連載では、まず今号から3回にわたって災害対応の基本である危機管理のポイントについて示します。以降、小・中規模の訪問看護ステーションでも取り組みやすいBCPの策定手順をステップを踏みながら解説するとともに、実際にBCPを導入したステーションの事例も紹介します。また、職員のメンタルヘルスケア、停電時の対応、実災害での実践事例を取り上げる予定です。
精神科病院の訪問看護室で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります
東京だから地域で暮らせる?
「患者さん」にして「利用者さん」
私の職場は精神科病院の訪問看護室。利用者さんは全員、当院外来に通院しています。外来では「患者さん」、訪問看護室では「利用者さん」。意識していないと、つい「患者さん」と言ってしまいます。
主な疾患は統合失調症で、50年以上の長期入院を経て退院した人もいます。病院の創立は1927年。ベッド数は約650床。退院促進への取り組みはかなり熱心だと感じます。
西宮市訪問看護センター(兵庫県西宮市)は3カ所のサテライト事業を展開するステーション。山﨑和代さんに、管理者としての日々の思い・考えを語っていただきます。
❶〈筆者が変わりました!〉
はじめまして!
山﨑 和代
社会福祉法人西宮市社会福祉事業団
訪問看護課 課長/訪問看護センター 管理者
認定看護管理者
当センターの概要
当センターは1992年に全国で最初に開設した訪問看護ステーションの1つで、「住み慣れた場所で最期まで過ごせる地域づくり」という理念を掲げて訪問看護を提供しています。開設した年は年間135人の利用者に2028件のサービス提供のみでしたが、2019年には1138人に4万829件訪問するようになりました。利用者は末期がん、神経難病、循環器疾患、精神疾患を持つ人が多く、スタッフは22〜72歳まで総勢77人、平均年齢は40代です。
地域包括ケアシステムの先進事例として、全国から注目されている「幸手モデル」。地域住民とともにこのモデルをつくった筆者の医師としての歩みを振り返り、幸手モデルの本質に迫ります。
❶〈新連載〉
消せない失敗と
解決できない問題
中野 智紀
北葛北部医師会在宅医療連携拠点菜のはな 室長
東埼玉総合病院地域糖尿病センター センター長
ある白血病患者との苦しい記憶
ある日、急性リンパ性白血病を発症した40代の男性(以下:Aさん)が入院してきて、私が担当することとなりました。当時、一般的に急性リンパ性白血病の治療は難しく、その病名を聞いただけで研修医だった私は尻込みをしました。専門医ではなかった私は、血液専門医の指導を受けながら治療を始めることとなったのです。
白血病の治癒のためには、完全に白血病細胞を根絶させること(Total cell kill)が必須とされています。強力な抗がん剤を複数組み合わせて用いるため、必ず骨髄抑制が起こります。骨髄内の白血病細胞に対して抗がん剤を用いて破壊し、白血病細胞より早く回復してくる正常細胞が立ち上がってきたら、ただちに次の化学療法を開始します。これらを繰り返すことで、骨髄内の白血病細胞を段階的に減らして寛解をめざしていくのが白血病における化学療法の基本的な考え方です。したがって、化学療法のクール終了後の感染症をはじめとする合併症の管理は極めて重要です。なぜなら、化学療法後に合併症が発症すると次の治療が遅れ、せっかく破壊した白血病細胞が再び増え始めてしまうからです。