後期高齢者の仲間入りをして、自分自身が人生100年時代に現実感を持って向き合わざるを得なくなりました。120人定員の特別養護老人ホームに勤務していた20数年前、そこで100歳を超えていた利用者は2、3人だったように記憶しています。それが第三者評価で訪れる2ユニット(定員18人)の規模のグループホームであっても、100歳を超えた利用者の姿を目にするようになりました。また、自身の第三者評価として現場を見る目も、介護サービスを受ける側から考えていることに気づかされるときがあります。つまり、「介護を提供する」側の視点ではなく、自らが当事者として「介護を受ける」側の視点で見ているのです。すると、自分だったら大切にしてほしいこと、かなえてほしいこと、絶対にやってほしくないことなどがわかってきました。
宮子あずさの気まぐれコラム⓭
精神科病院の訪問看護室で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります
⓭友人を見送って思うこと
病気抜きの付き合い
何かと身辺が慌ただしかった9月、友人が60年の生涯を終えました。卵巣がんでした。時を経て、喪失感が増しています。
私たちは2018年5月にFacebookで知り合いました。以来一度も会わずじまいでしたが、日々オンラインでやり取りをし、かけがえのない友人だったのです。
人事労務相談室❹
訪問看護ステーションや高齢者ケア施設で
生じやすい人事労務に関するトラブルと対応策、
またトラブルの防止策について解説いただきます。
スタッフがメンタルヘルス不調になった際の対応④
試し出勤制度と職場復帰の際の対応方法
中山 伸雄
なかやま のぶお
社会保険労務士法人Nice-One 代表 / 社会保険労務士
前回は、休職中のスタッフへの対応や、職場復帰(復職)時の判断、交わしておくべき書面等について解説しました。今回は、職場復帰の判断が難しい場合の「試し出勤制度」や復職する際の対応方法について紹介します。
スペシャリストの実践知⑮
各分野のスペシャリストによる看護実践の過程から、困難事例への視点や日々の実践に役立つケア・コミュニケーションのポイント、スキルを学びます。
⑮摂食嚥下
包括的視点での食支援により
重度嚥下障害のある人の食べる幸せを守る
今月のスペシャリスト:竹市 美加
日本人の平均寿命は男性81.64歳・女性87.74歳1)となり、超高齢社会が一段と進展しました。それに伴い、疾患だけでなく、加齢などのさまざまな影響により複雑な摂食嚥下障害を呈する人が多く見られるようになりました。また、DPC(診断群分類包括評価)の導入により入院期間が短縮したことで、摂食嚥下機能が十分に回復しない状態で食物形態も絶飲食やペースト食(嚥下調整食分類20132)コード2)のまま退院し、以降も適切な評価やケアを受けることなく在宅で療養生活を送る人が増えています。
特別寄稿
日本では、新型コロナワクチンの接種が急ピッチで進められています。しかし8月以降、新型コロナウイルスの全国新規感染者数は過去最多の更新が相次ぐなど、未だ収束の兆しは見えません。果たして収束する日は来るのか、また、それはいつごろのことなのか。ワクチンをめぐる最新の知見も踏まえ、今後について解説いただきます。
COVID-19はいつ収束するのか
峰 宗太郎
みね そうたろう
米国立研究機関 博士研究員
医師/薬剤師
筆者略歴
京都大学薬学部、名古屋大学医学部医学科卒業、東京大学大学院医学系研究科修了。国立国際医療研修センター病院、国立感染症研究所等を経て、2018年より現職。病理専門医。医学博士。共著で「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」(日本経済新聞出版)発刊。
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前稿(本誌2021年5月号)では、新型コロナワクチンについて詳しく解説しました。その後、世界各国でワクチン接種が進む中、効果の検証が行われていますが、変異ウイルスの出現など、当初と状況が変わってきている部分もあります。本稿では、明らかになったワクチンの効果や現在の状況などから、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行収束について考えます。
ワクチン接種が進められる中、
明らかになったこと
●実証された感染予防効果
新型コロナワクチンには、感染予防・発症予防・重症化予防という3つの予防効果が期待されています