POTTスキルで解決〜食事ケアの困りごと 看護で食べるよろこびを

 

 

誤嚥性肺炎や窒息のリスクが気になる食事ケア。
でも、嚥下障害と姿勢アセスメントの基本的な知識と技術があれば、利用者が安全に食べることを継続して支援できます。
筆者らが提唱するPOTT プログラムの基本スキルを基に、現場で遭遇する問題の原因やケアの方法・根拠を紹介します。

 

執筆

迫田 綾子 さこだ あやこ

日本赤十字看護大学名誉教授

POTT プロジェクト代表

 


知りたいこと その❸

 

食欲はあるのに、姿勢がどんどん前屈みになって
食べられません……

食事姿勢をアセスメントして、快適な食事へ

 

 

F.ナイチンゲールは「看護師のまさに基本は、患者が何を感じているかを、患者に辛い思いをさせて言わせることなく、患者の表情に現われるあらゆる変化から読みとることができることなのである」と述べています1)。

 

食事姿勢も同様です。適切な状態かどうかを患者や利用者自身で判断することは難しいため、看護師の知識や経験が非常に重要となります。看護師は利用者が安楽に食事ができるようになるにはどうすればいいのかをイメージしながら観察し、姿勢が崩れたときなどにはまず、安全を確保します。また、呼吸苦や誤嚥、窒息の可能性を踏まえてバイタルサインや口腔内の観察を行い、異常が見られた場合は食事を中止して緊急対応します。

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看護と経営(14)

 

●監修 福井 トシ子

国際医療福祉大学大学院副大学院長/教授

●企画協力

鳥海 和輝

『Gem Med』編集主幹

小野田 舞

一般社団法人看護系学会等社会保険連合 事務局長

 

診療報酬等に関連する用語の理解や管理指標の持つ意味、病院機能ごとの経営の考え方について解説するとともに、事例を通じて、看護管理者が病院経営に貢献するためのヒントを探ります。

*vol.1〜6は【解説編】、vol.7以降は【実践編】となります。

 


 

vol.14 実践編⑧

収益最大化の具体例 地域の信頼を得て

「重症患者の紹介」を確実なものに

 

鳥海 和輝

とりうみ・かずき◉大学卒業後、社会保障系出版社に勤務。医療保

険専門誌、介護保険専門誌の記者やデスク等を経て現職。現在、

ニュースサイト『Gem Med』にて、医療政策・行政情報を発信し

ている。

 

 

本連載では、病院経営を安定させるためには「収益を上げ、費用を下げる」ことが重要だと述べてきました。今号では、「収益を上げる」方策について、より具体的に考えてみたいと思います。

 

地域の信頼を得る

 

本連載の第12回(本誌2025年3月号)では、収益増に向けて、重症の紹介患者ならびに救急搬送患者を受け入れることの重要性について確認しました。後者の「救急搬送患者」については病院側でコントロールできないため、安定的な収益増を考えると、前者の「重症の紹介患者」がとりわけ重要であることがわかります。

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【Book Selection】新刊書籍のご紹介

 

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医療行政なるほど塾

薬機法等改正案を国会に提出

零売原則禁止、濫用リスク対策など盛り込む

 

「社会保険旬報」編集部

 

 

政府は2月12日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等改正法案」を閣議決定し、国会に提出。医薬品・医療機器の新たな規制の大枠を示しました。法案が成立すれば、早ければ2025年秋から段階的に施行される見込みです。改正法案は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(福井次矢部会長)の1月10日の議論のとりまとめを受けたもので、主な改正事項として、①処方箋なしでの医療用医薬品の販売(いわゆる零売)の原則禁止、②濫用リスクがある医薬品の販売方法の厳格化、③都道府県知事が薬局機能を認定する制度に健康増進支援薬局を追加、④後発医薬品安定供給確保および革新的新薬実用化のための基金の創設などがあります。

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基礎から学ぶ! 事例でわかる! 訪問看護ステーションの事業承継(22)

経営者の高齢化等により注目されている事業承継。成功させるにはいくつかのポイントがあります。本連載では、事業承継とは何か、事業承継の流れ・留意点などの基礎知識を解説し、実際の支援事例を紹介します。

 

 

事業承継・引継ぎ支援センター」と

「よろず支援拠点」

坪田 康佑

つぼた こうすけ

訪問看護ステーション事業承継検討委員会

一般社団法人医療振興会代表理事

看護師/国会議員政策担当秘書

 

 

事業承継のご相談はお早めに

 

訪問看護ステーションの経営者は、事業を始めた段階から「いつかは自分も誰かに引き継ぐのだ」という意識を持ち、日常的に準備を進めておくことが非常に重要です。しかし実際には、「自分はまだ元気だし、経営も順調だから」と、事業承継について考えることに抵抗を感じる経営者も少なくありません。

 

また、中小企業庁の「2023年版 中小企業白書」1)によると、後継者へのバトンタッチに向けた準備には少なくとも1年以上を要したケースが半数以上でした。本格的な承継に向けた組織体制の調整・整備などにかかる手間を考慮すれば、より長い期間が必要になることも珍しくないため、すでに事業承継を考え始めている人も、できるだけ早くから準備をしておく必要があります。

 

3月号では、経済産業省による事業承継の支援施策である「事業承継・引継ぎ支援センター」(以下、支援センター)2)を紹介しました。全国47都道府県に設置されており、いざというときに頼れる公的な支援機関ですが、実際にはどう活用すればよいのかがわからず、利用に踏み出せない訪問看護事業者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、そのような経営者が将来の事業承継に向けて一歩踏み出せるように、支援センターについてあらためて説明し、その母体である経営相談の窓口「よろず支援拠点」の活用方法も併せて紹介します。

 

「事業承継・引継ぎ支援センター」の活用

 

❶多様な売却対象でのサポート

支援センターは、2011年に経済産業省が全国に設置した「事業引継ぎ支援センター」と、2014年度にスタートした「後継者人材バンク事業」を合併して設立しました。第三者への売却だけでなく、親族や社内の役員・従業員への承継、M&A(事業の売買)に関することまで幅広い相談に対応します。また、M&Aアドバイザーや仲介会社の場合は第三者への事業承継を中心とした相談を対象としていますが、支援センターでは、事業主が引退を考える場合のあらゆるケースをサポートします。

 

例えば、親族内での承継では「事業承継計画」の策定支援が受けられるほか、税務面の相談も可能です。社内での承継を進めたい場合には、後継者となる役員や従業員側へのアドバイスやフォローも丁寧に行ってくれます。また、M&Aを視野に入れている事業主であれば、買い手の探し方やさまざまな手続きについてもしっかりとサポートするなど、多様なニーズに柔軟に対応しています。

 

そのほかに、訪問看護事業ならではの悩みとして利用者との関係やスタッフの雇用の問題など、引き継ぎに伴うデリケートな問題が挙げられるでしょう。こうした課題についても、プロの視点でアドバイスを受けることができます。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2025年5月号)