医療安全トピックス vol.165

 

 

VOL.165

井上 純子

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故防止事業部 副部長

 

医療安全情報No.209
「中心静脈から投与すべき輸液の末梢静脈からの投与」について

 

今号は、公益財団法人日本医療機能評価機構で提供した「中心静脈から投与すべき輸液の末梢静脈からの投与(医療安全情報No.209)」と、医療事故情報収集等事業ホームページの医療安全情報について紹介します。

 

公益財団法人日本医療機能評価機構では、医療事故情報収集等事業(以下:本事業)を運営しており、医療安全推進のために報告書や医療安全などの情報を提供しています。

 

●高カロリー輸液や高濃度糖液の投与

患者に投与する輸液には、浸透圧比(生理食塩液に対する比)の異なる製品がさまざまあります。浸透圧比の高い高カロリー輸液や高濃度糖液の添付文書には、「中心静脈内に持続点滴輸液する」と記載されています。これは、高カロリー輸液や高濃度糖液を末梢静脈から投与すると血管への負担が大きく、血管痛や静脈炎を起こす可能性があるためです。

 

●医療安全情報No.209「中心静脈から投与すべき輸液の末梢静脈からの投与」の内容

 

本事業において、末梢静脈から高カロリー輸液や高濃度糖液を投与したことで患者に影響があった事例が報告されています。そこで、医療安全情報No.209★1を作成し、2024年4月に情報提供を行いました(図表1)。

 

 

       【図表1】医療安全情報No.209

 

★1 https://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_209.pdf

 

→続きは本誌で(看護2024年8号)