NT2014年10月号連載【チームづくりのお悩み相談】紹介

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【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、

 

「メンバーに〝あの人と一緒だと苦労する〟とラベルを貼る人がいて、チームが嫌な雰囲気です」

 

 

 

 

 

 

 

人はラベルを貼りがち

 

「あの人は患者を観察する力がない」「あの人とチームを組むと大変なことになる」などと“ラベル”が貼られてしまうと、当人と働いたことがなくても「仕事ができない人」という枠組みで見てしまいがちです。

誰もが起こしそうな小さなミスにもかかわらず、「やっぱり仕事ができない人なのだ」と、因果関係が明確ではないのに飛躍した考えで評価してしまうことがあるかもしれません。ひいては「あの人と一緒に仕事をしたくない」と、チーム崩壊につながってしまうことさえあります。

 

評価にバラつきがあるのは当然

 

事例 ▶ Aさんが昨日、急変の兆候を見逃したことで、チームのメンバーがてんてこ舞いになり、そのことを影響力の大きなメンバーBさんが「Aさんと一緒のチームだと苦労させられるので、一緒のチームは嫌です」と評価し、訴えました。一方、自分もそのような経験があると認識している人は「それは誰にでもあることじゃない?」と判断しているようです。

そもそも「評価」は、「測定」と異なり、出来事に人の「価値判断」を加えることです。つまり、評価する人の主観が入りますから、当然バラつきが出ます(表1)。

 

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360°から人の強みを眺めるためにラベルを根気強くはがす

 

ラベルを貼るメリットは“中身を確かめなくても判断できる”ことにあります。しかし、もし、そのラベルが間違えて貼られていたら……。

 

例えばもし、フェノバルビタール散(抗てんかん薬)の薬瓶に「乳糖」とラベルが貼ってあったら恐ろしいですね。チームにしても同じです。いったんラベルが貼られると確かめもせずにラベルを信じ、人を傷つけかねません。別の角度から眺めれば活用できる強みだったのに活用できないまま、人材を失うこともあります。

 

貼り付けてしまったラベルは、360°から人の強みを眺めなおすために根気強く“はがす”ことが重要です。

(この続きは本誌で)

 

[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)

 

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NT2014年10月号連載【アセスメント力を高めるフットケア】紹介

 

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【アセスメント力を高める

フットケア】は、

 

「足の神経を理解する」

 

当然のことながら、人間の体はすべてがつながっています。例えば、膝の痛みがあるときに、インソールに手を加えて足底からアライメントを変えると、その痛みが引いてしまうということがあります。アライメントとは、配列とか並びを意味します。もう少しわかりやすく「骨(または骨格)アライメント」と表記されることもあります。

 

立位で人体を真横から見たときの正しいアライメントは、[耳〜肩峰〜大転子〜膝蓋骨後面〜外果]を結んだラインが一直線である状態です。自分では自然に立位を取っていると思っていても、その位置がずれているとき、「アライメントが崩れている」と言います。こうした体のつながりを理解すると、足へのアプローチがいかに有効かということがわかってきます。

 

全身がつながっていることをさらに実感できるのは、「神経」ではないでしょうか。少し強引な流れではありますが、今回は神経についてひもといてみましょう。

 

神経の働きと役割

 

神経は、中枢神経と末梢神経に分けられることはすでにご存じだと思います。その中で足にかかわる神経は末梢神経です。これを機能的に分類すると、体性神経と自律神経に分けられます(図1)。

 

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体性神経には、感覚神経(知覚神経とも言います)と運動神経があります。

 

感覚神経は、例えば皮膚になにか触れたときに、その部分から中心の神経に向かって信号が送られていくため、求心性神経と言われます。感覚神経には、皮膚を介して感じる触覚、痛覚、温度覚といった表在感覚と、筋腱、関節、骨膜といった皮膚より下部にある組織で感知する圧覚、振動覚、位置覚、運動覚といった深部感覚があります。そして、内臓で感じる内臓感覚に至るまでの感覚を司る神経です。

 

逆に運動神経は、その部分を動かすために、中心となる神経から動かしたい末梢側の部分に向かって信号が送られるため、遠心系神経と言われています。筋肉には、自分で意識して動かすことができる随意筋である骨格筋と、自動的に調整をして動かす不随意筋の心筋、平滑筋があります。このうち骨格筋をコントロールするのは運動神経ですが、不随意筋は自律神経の働きによるものです。

 

自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。学生さんに講義をするときには、交感神経は戦闘モード、副交感神経はリラックスモードと話しています。体の内部をこうしたモードに従って自動調整してくれる大切な神経です。

 

復習も兼ねてざっと神経のことを書きましたが、その中でそれぞれの神経が障害されると足にどんな影響を及ぼすのかを見てみましょう。

(この続きは本誌で)

 

[著者]西田 壽代

(足のナースクリニック代表/一般社団法人日本トータルフットマネジメント協会会長)

 

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インスリン療法を行う 糖尿病患者のQOL向上をめざして

糖尿病看護BP表紙厚生労働省の「平成24年国民健康・栄養調査」の推計では、糖尿病が強く疑われる成人男女が約950万人に上ることが明らかになりました。前回の調査(2007年)から5年で約60万人増えています。また、「糖尿病が強く疑われる者」のうち約3割は治療を受けていないこともわかっています。糖尿病が自覚症状に乏しいこと、糖尿病と診断されて医療者から指示された食事療法や運動療法が厳しく、継続が難しいことなどが原因として挙げられます。

 

小社刊『糖尿病看護ベストプラクティス インスリン療法』は、インスリン療法を行う糖尿病患者への支援に焦点を当て、継続可能なインスリン療法の導入から治療継続のための支援、所属施設での活動について、糖尿病看護のエキスパートの実践を基に詳しく解説しています。

 

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地域包括ケアのもと“住み慣れた地域で暮らし続ける”ことを支えるために、 病院の看護師と訪問看護師が看護をつないでいきましょう

宇都宮宏子+本4c

宇都宮 宏子さん
(うつのみや・ひろこ)
在宅ケア移行支援研究所
宇都宮宏子オフィス代表
1980年京都大学医療技術短期大学部看護学科卒業後、医療機関勤務を経て、高松で訪問看護を経験し、1993年京都の訪問看護ステーションに勤務。介護保険制度創設時はケアマネジャー・在宅サービスの管理・指導者を務める。2002年より京都大学医学部附属病院で退院調整看護師として勤務。2012年4月に「在宅ケア移行支援研究所」を立ち上げ、医療機関の在宅療養移行支援や地域の在宅医療コーディネーター事業のコンサルテーションを行う

 

看護がつながる在宅療養移行支援

退院直後の療養生活が不安定な時期に、医療や看護・ケアを適切にかつ集中的に提供し、患者さんや家族を支え、療養生活を安定させることが大きな課題となっています。この移行期における看護ケアのマネジメントをまとめたのが『看護がつながる在宅療養移行支援』

 

本書に込めた思いや読みどころを、編者の1人である宇都宮宏子さんにうかがいました。

 

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CC2014年7月号掲載【高齢者の持てる力を生かし“支えられる人”から“支え合う人”へ那須塩原市の「街中サロンなじみ庵」—— 飯島惠子さん】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.31〉
【高齢者の持てる力を生かし“支えられる人”から“支え合う人”へ

那須塩原市の「街中サロンなじみ庵」—— 飯島惠子さん】

  

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写真 ‌“賭けない、吸わない”の健康麻雀の様子

 

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)

今年の前半は『患者の目線――医療関係者が患者・家族になってわかったこと』(医学書院)の編集で大変でした。でも、19人の執筆者の皆さんの実体験ドキュメンタリーレポートが大好評でホッとしています。

 今日行ける場があって、今日すべき用事があって、見守ってくれる仲間がいれば、たとえ高齢でも認知症があっても、“支えられるだけの人”ではなく、“互いに支え合う人”になれる――そんな居場所「街中サロンなじみ庵」を実現した飯島惠子さんを訪ねました。 続きを読む…