【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、
「メンバーに〝あの人と一緒だと苦労する〟とラベルを貼る人がいて、チームが嫌な雰囲気です」
人はラベルを貼りがち
「あの人は患者を観察する力がない」「あの人とチームを組むと大変なことになる」などと“ラベル”が貼られてしまうと、当人と働いたことがなくても「仕事ができない人」という枠組みで見てしまいがちです。
誰もが起こしそうな小さなミスにもかかわらず、「やっぱり仕事ができない人なのだ」と、因果関係が明確ではないのに飛躍した考えで評価してしまうことがあるかもしれません。ひいては「あの人と一緒に仕事をしたくない」と、チーム崩壊につながってしまうことさえあります。
評価にバラつきがあるのは当然
事例 ▶ Aさんが昨日、急変の兆候を見逃したことで、チームのメンバーがてんてこ舞いになり、そのことを影響力の大きなメンバーBさんが「Aさんと一緒のチームだと苦労させられるので、一緒のチームは嫌です」と評価し、訴えました。一方、自分もそのような経験があると認識している人は「それは誰にでもあることじゃない?」と判断しているようです。
そもそも「評価」は、「測定」と異なり、出来事に人の「価値判断」を加えることです。つまり、評価する人の主観が入りますから、当然バラつきが出ます(表1)。
360°から人の強みを眺めるためにラベルを根気強くはがす
ラベルを貼るメリットは“中身を確かめなくても判断できる”ことにあります。しかし、もし、そのラベルが間違えて貼られていたら……。
例えばもし、フェノバルビタール散(抗てんかん薬)の薬瓶に「乳糖」とラベルが貼ってあったら恐ろしいですね。チームにしても同じです。いったんラベルが貼られると確かめもせずにラベルを信じ、人を傷つけかねません。別の角度から眺めれば活用できる強みだったのに活用できないまま、人材を失うこともあります。
貼り付けてしまったラベルは、360°から人の強みを眺めなおすために根気強く“はがす”ことが重要です。
(この続きは本誌で)
[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)
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