本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。
川越博美さんから井部俊子さんへの手紙
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文:川越博美
2017年もあっと言う間に3月。年を重ねると時が過ぎるのが早いことを実感しています。前号では、それについてピエール・ジャネの説を紹介して説明してくださいました。なるほどと納得しながらも、井部さんや私は、その説による「機械的な日課に転換され」「空っぽになって崩れていく」には当てはまらないと思います。なぜなら私は、刺激的で変化に富んだ今を「どうしてこんなに忙しく仕事をしているのか」と思いながらも楽しんでいますから。時には悠々とした定年退職後の生活をうらやましく感じることもありますが、それでもまだ働くことが許されていることを“看護師”という職業のおかげだと感謝しています。高齢者は75歳からと定義される時代。後輩たちに訪問看護の歴史を語りながら、今という時代に通じる看護師でありたいと、骨粗しょう症の薬を飲みながら日々奮闘している私です。
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