長野県にある「特別養護老人ホームあずみの里」で、提供されたおやつを食べた女性入所者が意識を失っているところを発見されました。女性は救急搬送され、意識が戻らないまま病院で亡くなりました。この出来事は、現在、刑事事件として訴追されています。本稿では、裁判の経過を4回にわたって報告します。
刑事裁判となった出来事
社会福祉法人協立福祉会「特別養護老人ホームあずみの里」(以下:特養あずみの里)は、雄大な北アルプスの山並みが一望できる自然豊かな信州・安曇野の田園地帯の中にある施設で、2002年5月に開設されました。
特養あずみの里では、師長を含め看護職6人、介護職23人の体制で、定員65人の利用者をA、B、Cの3つのチームに分けて、食事・排泄・入浴等の介護に当たってきました。
2013年12月12日午後3時20分ころ、特養あずみの里のCチームの食堂で、おやつとして提供されたドーナツを食べていた85歳の女性入所者(Kさん)が、ぐったりして意識を失っているところを、遅れて食堂に入ってきた介護職が発見しました。