地域ケアの今(24)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

ご存知ですか? AYA世代

文:上野まり

 

先日、新聞で「AYA(アヤ)世代」という言葉を初めて目にしました。その直後、「第22回日本緩和医療学会学術大会」の案内として届いた1枚のポスターと数枚のチラシでもこの言葉に遭遇し、私の頭の中の辞書に定着しました。


AYA世代とは

同学術大会で開催された市民参加セッションのテーマは、「拝啓 若者たちへ AYA世代(15歳〜30代)の“今を生きる”を考えよう」でした。私はAYA世代という言葉に興味がわき、このセッションに参加しました。

トシコとヒロミの往復書簡 第23回

本連載では、聖路加国際大学名誉教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。


失望と希望

文:井部俊子

 

2年間の往復書簡が終結に近づいています。私の番はこれが最後だと担当編集者の村山みのりさんが告げてきました。

 

前回の書簡にあった2床の有床診療所「小さな宿泊所」は繁盛していますか。地域包括ケアシステムづくりに貢献しようというあなたの意気込みが伝わってきます。素晴らしいです。

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地域ケアの今(23)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

介護相談員から見た

介護現場の不適切ケア

文:鳥海房枝

 

2017年3月、特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク介護相談・地域づくり連絡会が、平成28年度老人保健事業推進費等補助金で行った「身体拘束及びグレーゾーン・不適切ケアに関するアンケート調査」の結果をまとめました。

 

高齢者ケア施設での虐待は、事件としてマスコミの報道によって表面化します。ところがこの調査研究では、“不適切ケア”の積み重ねが虐待や身体拘束に至るとし、この構造を虐待・身体拘束、グレーゾーン行為(非意図的虐待・非意図的身体拘束)、不適切ケアと、図のように位置づけています。また、アンケート調査の対象を介護相談員としたことも大きな意味があると考えます。なぜなら介護相談員は決まった事業所を定期的に訪問し、利用者・職員と顔馴染みになっており、現場の普段の介護をより客観的な立場で見ている貴重な存在だからです。今号では、「介護相談員派遣等事業」と「介護相談員」について概説した上で、アンケート調査の結果から見えてきたことを紹介します。

 

SPECIAL BOOK GUIDE 退院した患者の行き先は、自宅・施設だけじゃない!「コミュニティケア」2017年6月臨時増刊号 『新たな制度を生み出すコンセプト「まるごとケアの家」の展開』が刊行

病院を退院した患者は「どこへ」行くのでしょうか? 転院、特別養護老人ホームなどの介護保険サービスの施設、そして自宅が、まず思い浮かぶと思います。しかし、今、地域では新たな“場”への取り組みが始まっています。それが「まるごとケアの家」——そこは制度にとらわれず、どんな人でも受け入れてケアをする場です。患者・家族を看護職・介護職だけでなく、地元の人も加えた緩いつながりで“まるごと”受け入れてケアをする家なのです。
訪問看護師や高齢者施設のナースのための専門誌「コミュニティケア」の2017年6月臨時増刊号では、「まるごとケアの家」について詳しく紹介しています。

 

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トシコとヒロミの往復書簡 第22回

本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

 

川越さんイラスト

川越博美さんから井部俊子さんへの手紙

地域包括ケアシステムのためにできること
文:川越博美


「株式会社井部看護管理研究所」の起業おめでとうございます。井部さんの数々のキャリアの中でも画期的で、看護師たちに夢を与えてくれる新しい挑戦・出発ですね。心からお祝い申し上げます。早くホームページを拝見したいです。

 

高校時代の恩師の、「道が切り開かれるのは、運命ではなく、自分では気づかなくても、それまで日々積み重ねてきたことが実を結ぶとき。だから毎日を誠実に真摯に、苦しみも糧にして楽しみながら歩みなさい」という言葉を、この年になって実感しています。井部さんをはじめ、大学や現場で活躍した看護師たちの起業のニュースをたびたび耳にするようになりました。これは起業するまでに日々積み重ねてきたことが、商品(サービス)として売れるほど価値があるということです。
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