【寄稿】 東日本大震災から6年が経過した現在の災害医療対策の現状と今後への提言:予測される次の大災害に備え、災害医療対策を震災の実情にあったものにするために

福島第一原発事故:爆発後の3号機原子炉建屋の様子(東京電力ホールディングスWebサイトより)

未曽有の大災害であった東日本大震災から6年が経過した。その後、

熊本でも大きな地震が起こり、近い時期に起こると言われている南海トラフ地震や首都直下型地震等に対する危機管理対応が急務となっているのは言うまでもない。東日本大震災以降、各自治体や医療機関では様々な災害医療対策が立案され、各施設や地域での訓練に取り入れられたり、周辺地域との医療連携が強化されたりしている。

 

災害医療対策は、その地域の特性や現状によって内容は変化する。筆者は東日本大震災以降、様々な地域で災害医療に関する講演を行い、各地域の災害医療対策の内容を聞かせていただいた。しかし、実際に大震災を体験した者からすると、その地域で構築されている災害体制や災害訓練が地域の実情と合っておらず、机上の空論になってはいないだろうか、と思うことも何度かあった。

そこでこの小論では、実際に自分の地域で大災害が起こることを想定し、地域の現状に即した災害医療体制を構築していくために考慮すべきことについての筆者の考えを記したい。

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【今月のオススメ書籍】 熊本地震から1年―大災害の教訓を今後の備えに生かす

2016年4月14日、熊本・大分両県で最大震度7の地震が発生しました。その後も昨年11月30日までに4,000回以上の地震があり、犠牲者は200名を超え、現在も仮設住宅で生活されている方は1万人以上いるとのことです。

 

阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と大規模地震が続き、今後いつ、どこで、再び大地震が起こるかわかりません。

私たちはこれらの災害経験の教訓を生かし、今後に備えていかなければならないでしょう。

 

そこで今月は、災害看護関連の書籍・雑誌をご紹介いたします。

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月刊誌「コミュニティケア」の好評連載が書籍化! 『訪問看護師ががんになって知った 「生」と「死」のゆらぎ』

訪問看護パリアン看護部長・川越博美氏のエッセイ「訪問看護師ががん患者になって考えた 死にゆく人に寄り添い支えること」が大幅加筆の上、本になりました。闘病、介護・看取り、まちづくり……当事者として向き合ってきた著者ならではの、真摯な言葉に溢れた1冊です。

 

「パリアン」スタッフと本書の完成を喜ぶ著者 (左から3人目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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暴言・暴力・ハラスメントから 職員を守る段階的対応について、 医療法務弁護士が提案する書を刊行!

 

1956年東京都武蔵野市生まれ。1981年東京大学法学部卒業。1986年弁護士登録(東京弁護士会所属)。1989年井上法律事務所を開設。2004年医療法務弁護士グループ代表に就任。病院顧問弁護士、病院代理人などを務め、昨今の医療への司法介入に対し、医療現場をよく知る立場からMRICなどへの寄稿を通じ警鐘を鳴らし、医療関係者からも多くの支持を得ている。著書に『「医療事故調査制度」法令解釈・実務運用指針Q&A』(マイナビ)、『病院法務部奮闘日誌』(日本医事新報社)などがある。

このたび当社より刊行しました「暴言・暴力・ハラスメントから職員を守る段階的対応」は、すべての医療スタッフが、患者トラブルへの対応と法的知識の基本を理解するための書です。編著者である井上清成弁護士に本書のねらいを述べていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ヴァージニア・ヘンダーソン没後20年、生誕120年記念出版 第1弾『看護の基本となるもの』新装刊行!

アメリカの看護理論家ヴァージニア・ヘンダーソン(1897〜1996)の看護理論を学生時代に学んだという方は多いでしょう。2016年はヘンダーソンの没後20年、2017年は生誕120年であり、これを記念して弊社ではヘンダーソン関連の書籍を新装および再編集して記念出版する予定です。

 

その第1弾として、2016年12月に『看護の基本となるもの』を10年ぶりに新装し、刊行いたしました。原著の初版は1960年、邦訳の初版は1961年、それから半世紀以上、看護師たちに連綿と読み継がれてきた本書の生まれた背景とその後の変遷をご紹介します。

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