評者:南 裕子(高知県立大学学長)
著者である黒田裕子氏は、阪神・淡路大震災の発災直後から文字どおり寝食忘れて、避難所・仮設住宅そして恒久住宅へと、時間の経過とともに場は違っても、そこに住む人々に寄り添って、創造的支援活動をされた。そして、その姿勢は東日本大震災までのほとんど全ての災害においても同じであった。 続きを読む…
著者である黒田裕子氏は、阪神・淡路大震災の発災直後から文字どおり寝食忘れて、避難所・仮設住宅そして恒久住宅へと、時間の経過とともに場は違っても、そこに住む人々に寄り添って、創造的支援活動をされた。そして、その姿勢は東日本大震災までのほとんど全ての災害においても同じであった。 続きを読む…
第1版が出版された2008年から、認定看護管理者研修セカンドレベルの「看護管理実践計画」を立案するために、筆者が受講者に紹介しているのが本書である。看護管理者の基本としての「経営マインド」から「組織の運営」「財務分析」まで、概念だけではなく事例を提示して解説し、管理者が「ここがわからない」という細部の問いに答える内容となっている。自部署運営の中で、私たち管理者が不得意とする医療制度や組織分析、財務分析を、現在の知識でもわかるように解説して、その必要性を説いている。
がん患者さんやご家族が「素人ですから」と言うことは多い。この言葉の意味は、がんという病の脅威に対する怒りや諦め、否定あるいは医療者とよい関係を築きたいという表れだったりと、さまざまなように思う。いずれにしても、患者-医療者間の情報の質と量の差は決して埋められないし、たとえ、がん医療のプロであっても当事者となれば“素人”になるものである。そのような前提の上で、あえて本書は“患者さんにも勉強してほしい”と苦言を呈している。これを、「がんという病の脅威に逃げることなく、また情報に翻弄されず、がんや医療機関、医療者とうまく付き合い、患者さんが主役となって歩んでほしい」というメッセージに違いないと本書を読み進める中で感じ取った。 続きを読む…