医療行政なるほど塾

薬機法等改正案を国会に提出

零売原則禁止、濫用リスク対策など盛り込む

 

「社会保険旬報」編集部

 

 

政府は2月12日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等改正法案」を閣議決定し、国会に提出。医薬品・医療機器の新たな規制の大枠を示しました。法案が成立すれば、早ければ2025年秋から段階的に施行される見込みです。改正法案は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(福井次矢部会長)の1月10日の議論のとりまとめを受けたもので、主な改正事項として、①処方箋なしでの医療用医薬品の販売(いわゆる零売)の原則禁止、②濫用リスクがある医薬品の販売方法の厳格化、③都道府県知事が薬局機能を認定する制度に健康増進支援薬局を追加、④後発医薬品安定供給確保および革新的新薬実用化のための基金の創設などがあります。

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医療安全トピックス vol.173

 

■VOL.173

吉田 ちひろ

日本看護協会看護開発部看護業務・医療安全課

 

医療安全の確保・推進に向けた

2025年度の日本看護協会の取り組みについて

 

日本看護協会は、看護が提供されるあらゆる場での安全の確保と推進をめざして、事故の未然防止・再発防止の視点で医療安全事業の取り組みを進めています。本稿では、2024年度の主な取り組みを踏まえ、2025年度の医療安全事業を概観します。

 

●2024年度の取り組みの概要について

2024年度は、事故の未然防止、再発防止に向けた取り組みを中心に行いました。

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看護職に選ばれる病院・施設(18)

各都道府県ナースセンターが病院や施設向けに実施している定着・促進事業の中で得られた「看護職に選ばれる病院・施設」になるためのポイントや、具体例を紹介します!

 

 

vol.18 大分県ナースセンターからの提案!

求職者一人ひとりの状況に合わせた

柔軟な対応と支援を!

 

玉井 保子

大分県看護協会 副会長

大分県ナースセンター ナースセンター長

 

本稿では新規事業として取り組んだ「看護師等再就職おうえん事業」について報告。さらに、支援の中で見いだされた選ばれる病院・施設の特徴を解説し、看護管理者が実践すべきことを提言します。

 

大分県の現状

 

大分県の総人口は、2022年の約110万人から2035年には約89万人まで減少し、高齢化率は33.9%から39.3%に増加すると推計されています。人口減少や高齢化が進む中、今後看護職をどう確保していくかは大きな課題となっています。

 

2022年度の看護職数は約2万1,000人で、人口10万人当たりの看護職数は全国7位と高い水準にありますが、県庁所在地の大分市や隣接する別府市に偏在しており、それ以外の医療圏との差が顕著です。また、中小規模病院が多く、人口10万人当たりの病院病床数は全国7位(2023年度)と多いことから、各医療圏とも看護職の充足率が低く、不足感が強くなっていると考えられます。

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2040年に向けた医療提供体制の改革案を示す

通常国会に関連法案を提出へ

 

「社会保険旬報」編集部

 

 

厚生労働省は2024年12月25日、社会保障審議会医療部会がまとめた「2040年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革に関する意見」を公表しました。「新たな地域医療構想」「医師偏在対策」「医療DXの推進」「美容医療への対応」「オンライン診療の推進」を盛り込み、2040年以降もすべての地域・すべての世代の患者が適切な医療・介護を受けることができる医療提供体制の整備をめざしています(図表1)。医療部会の意見を踏まえ、厚生労働省は、医療法等改正案を通常国会に提出する考えです。

 

●人口構成の変化に対応した医療提供体制

 

医療部会は、医療提供体制に関するこれまでの議論を踏まえ、通常国会に提出する法案に盛り込むべき内容をまとめました。新たな地域医療構想と医師偏在対策については「新たな地域医療構想に関する検討会」、美容医療については「美容医療の適切な提供に関する検討会」の検討結果を添付しています。

 

医療部会の意見は、冒頭で改革が求められる背景を説明しています。85歳以上を中心に高齢者数が2040年ごろまで増加し、高齢者の救急搬送も増加して、在宅医療の需要も増えると予測。生産年齢人口はすべての地域で減少しますが、高齢人口は大都市部で増加する一方、過疎地で減少し、地域格差が拡大して地域に求められる医療提供体制は異なったものになると指摘しています。

 

→続きは本誌で(看護2025年3月号)