看護職に選ばれる病院・施設(20)

各都道府県ナースセンターが病院や施設向けに実施している定着・促進事業の中で得られた「看護職に選ばれる病院・施設」になるためのポイントや、具体例を紹介します!

 

 

vol.20 秋田県ナースセンターからの提案!

看護職が再就業し

働き続けられる要件とは

 

成田 睦子

秋田県看護協会

常務理事 兼 秋田県ナースセンター部長

 

秋田県ナースセンターが実施している再就業促進事業や、求職者への細やかな個別対応などを報告。さらに、再就業者の動向調査から読み取れる選ばれる病院・施設の特徴を説明します。

 

秋田県の現状

 

秋田県の人口は、総務省が公表した2024年10月1日時点の人口推計によると89万7千人で、減少率は12年連続で全国1位1)。高齢化率は現在も39.0%と全国1位で、トップを維持したまま2050年には49.9%と人口の約半数が高齢者となり医療需要が高まることが予測されます。

 

また、秋田県の看護師確保対策事業では病院の需要が減少し、介護保険施設や訪問看護事業所等の需要が増加することが見込まれており、看護職員の在宅医療分野への移行が必要となります。以前から、中小規模の病院・診療所および介護保険施設では、募集人数に対し採用数が確保できない状況でしたが、近年では規模の大きい病院においても看護職員の確保が困難な状況になっています。需要数を供給数が下回る状態は続いており、2029年には実人員で97.7%、常勤換算で95.7%の充足率となる見込みで、人材確保対策は大きな課題となっています。

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医療安全トピックス vol.179

 

■VOL.179

大竹 尊典

公益財団法人日本訪問看護財団

事務局 次長

 

在宅の医療安全 カスタマーハラスメントへの対応

 

日本訪問看護財団では、訪問看護をはじめとした在宅ケアサービスの普及・発展をはかるため、さまざまな取り組みを行っています。本稿では、昨今、訪問看護の現場で利用者やその家族からのカスタマーハラスメントが深刻な問題となっていることを受け、対策の方向性について言及します。

 

本連載では、過去2年にわたり、日本訪問看護財団(以下:本財団)の「あんしん総合保険」における賠償事案(保険金の支払いに至った事案)について報告しました。昨年度の賠償責任保険でも、「歩行訓練時に椅子に座ったままずり落ち骨折する」など、利用者の活動中の事故が支払金の上位を占め、また、職員の傷害保険においては、業務に関連する移動中の事故等での負傷による保険金支払いが上位を占めていました。賠償責任保険や業務従事者傷害保険は、当事者への直接的な被害が生じているケースのため、訪問看護において特色あるアクシデント事例が見てとれます。

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【Book Selection】新刊書籍のご紹介

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能登半島の災害から学ぶべきこと(企画協力:酒井明子)

 

第4回

能登半島地震の災害関連死①

 

上田 耕蔵◉1975 年神戸大学医学部卒業後、神戸医療生活協同組合神戸協同病院に就職。1993 年より現職。1995 年の阪神・淡路大震災において災害関連死という概念を提唱した。

 


 

災害関連死は災害ごとに違う様相を見せます。能登半島地震の特徴は、①後期高齢者比率増:福祉施設支援の課題、②地理的問題:自衛隊空白地、③医療職員不足:災害拠点病院の機能低下です。さらにマスコミの災害関連死の捉え方に問題を感じました。概念の見直しも必要と思われます。

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看護と経営(18)

 

●監修 福井 トシ子

国際医療福祉大学大学院副大学院長/教授

●企画協力

鳥海 和輝

『Gem Med』編集主幹

小野田 舞

一般社団法人看護系学会等社会保険連合 事務局長

 

診療報酬等に関連する用語の理解や管理指標の持つ意味、病院機能ごとの経営の考え方について解説するとともに、事例を通じて、看護管理者が病院経営に貢献するためのヒントを探ります。

*vol.1〜6は【解説編】、vol.7以降は【実践編】となります。

 


 

vol.18 実践編⑫

在院日数短縮・入退院支援加算の算定率向上・ 新規患者獲得をめざす

 

鳥海 和輝

とりうみ・かずき◉大学卒業後、社会保障系出版社に勤務。医療保

険専門誌、介護保険専門誌の記者やデスク等を経て現職。現在、

ニュースサイト『Gem Med』にて、医療政策・行政情報を発信し

ている。

 

 

急性期病院の入院が

「要介護度悪化」につながることも

 

前号で、DPC病院では、入院患者を期間Ⅱまでに退院させることが病院経営にとっても、患者のADL・QOLなどの点からも非常に重要であること、さらに期間Ⅱまでの退院に向けて、後方病院や介護施設などとの連携を進める必要があることを確認しました。今回は、このうちの「急性期病院から回復期病院などへの早期転院」に焦点を当てて、その重要性を考えてみます。

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