SPECIAL BOOK GUIDE 「Nursing Todayブックレット」 続々刊行中!

日々膨大な量の情報に曝されている私たちにとって、一体何が重要でどれが正しく適切なのかを見極めることがますます難しくなってきています。このような中、看護やケアをめぐり、いま社会で何が起きつつあるのか、編集者のさまざまな問題意識(=テーマ)を幅広くかつ簡潔に発信していく「Nursing Todayブックレット」を企画・刊行しています。これまでに5冊を刊行。今後も、幅広く新たな視点を提案していきます。

 

 

「Nursing Todayブックレット」の特長

 

ワンテーマに絞ったコンパクトな読み切りシリーズ

看護やケアをめぐり社会にいま何が起きつつあるのかを伝える

多様な課題について情報を共有し、

 ともに考える新たな視点を提案

 

 

 

一般教養としての「看護学概論」

 ── Introduction to Nursing

 

 

深井喜代子 執筆

●A5判 64ページ

●定価(900円+税)

ISBN 978-4-8180-2275-1

 

人生を豊かにする実践科学。

看護とは、看護学とは何か——。

神経生理学者から看護学者へと転向した著者は、それを「人生を豊かにしてくれるもの」と考えます。だとすれば、看護のエッセンスがぎっしりと詰まった「看護学概論」は、今後、誰もが当たり前に携えておくべき〝生きる知恵〟といえるのではないでしょうか。

本書では、総合大学の一般教養科目に「看護学概論」を位置づけ、医療・看護に馴染みのない学生たちをも惹き付けた講義の実際をご紹介します。〝濃い目に味付け〟したという授業の展開例は、看護関係者の参考書としてだけでなく、人々の「学び」について考える上で、魅力的な読みものになっています。

 

内容 

なぜ、一般教養科目に「看護学概論」か

果たして、今どきの大学生は「看護」を認知したか

すべての人々に看護学のエッセンスを

 

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SPECIAL BOOK GUIDE 現場の悩みやギモンに病院人事担当者が回答する 『ナースの働き方相談室』刊行!

月刊「看護」の人気連載「看護と人事の協働で実現するWLB」をベースに大幅加筆して再構成した本書。ナースの働き方において永遠のテーマである「夜勤要員確保」に加え、「働き方改革」や「ハラスメント対策」など話題のテーマを取り上げ、現場の生々しいお悩みに回答します。

2018年刊行の姉妹本、『ナースが元気になる人事管理』と併せてご活用ください。

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【Book Selection】今月のテーマ: 訪問看護に役立つ書籍4選 その1

 

訪問看護に携わる人、関心がある人、

皆さんにオススメの書籍第一弾です。

来月 の第二弾もお楽しみに。

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【Book Selection】今月のテーマ: がん看護に携わるあなたへオススメの本

当社おすすめ書籍を、新刊・既刊・古典織り交ぜてご紹介!!

がん看護に携わる皆さんに是非読んでいただきたい、当社がん看護関連書籍のほんの一部をご紹介します。

 

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SPECIAL BOOK GUIDE
「聞こえにくい」をほっとかない
Check your hearing!
Nursing Todayブックレット・04刊行!

2025年の高齢化率は30%に達すると予測されていますが、それは加齢性難聴の高齢者数の増加も意味します。「聞こえのしくみ」から、「加齢性難聴の予防」「補聴器を用いた聴覚トレーニング」「聞こえにくさを抱える方とコミュニケーションをとる際の工夫」までを解説する本書を、在宅看護・老年看護の教育・研究に携わる梨木恵実子さんにお読みいただきました。

 

書評『「聞こえにくい」をほっとかない』

 

群馬大学大学院保健学研究科看護学講座助教

老人看護専門看護師

梨木恵実子

 

私たち看護師は、どのように看護計画を立案し、ケアを行っているでしょうか。症状を聞く、薬について説明する、トイレ誘導時に声をかける……ごく自然にコミュニケーションをとりながら、情報収集やケアを実施しています。しかしそれは、相手に「聞こえの力」があることが前提です。聞こえに問題がある場合、説明やケアの場面で苦慮した経験のある看護師も少なくないと思います。

 

本書を読んで強く感じたのは、“私は相手の「聞こえの力」を維持する・高める関わりをしてきただろうか!? ”ということでした。

 

筆者は、訪問看護師としても活動を続けており、難聴の高齢者に出会うことも多く、声量やスピードなどを意識して話しています。しかし、その高齢者は、看護師がいない時間はどのように過ごしているのでしょう。外まで聞こえる大きな音でテレビを観ていたり、「電話の声は聞き取れない」と電話に出ることをあきらめていたり、「耳が聞こえにくいからと詳しく説明してもらえない」と怒りや悔しさを感じていたりするかもしれません。

 

看護師の役割は、日本看護協会が表明する看護の将来ビジョンのとおり、「いのち・暮らし・尊厳をまもり支えること」です。聞こえにくさを抱える人の生活全体を想像すれば、その時々の会話の工夫以外の支援も重要なことがわかります。

 

では、看護師に何ができるのでしょうか。まずは難聴について正しく理解することだと思います。本書では、難聴の要因や治療、補聴器を使ったトレーニング方法、認知症との関連などが、わかりやすく紹介されています。「聞こえにくさ」を加齢のせいだけにしない、可逆性への光を感じました。最も衝撃的だったのは、「難聴状態が続いた脳には、静けさの世界から音のある世界に慣れるまでの時間が必要」という事実です。補聴器が価値あるものになるかどうかは、支援者の関わり方次第です。その支援プロセスも知ることができます。看護師には、ケアを通して本人の聞こえにくさに気づける強みがあります。その変化を捉え、地域にいる医師などの難聴の専門家に繋ぐ・繋ぎ続ける方法も、本書は教えてくれます。

 

今後、聞こえにくさを抱える人への看護は確実に増えていきます。聞こえにくさはQOLに影響し、認知症の発症リスクでもあるため、“ほっとかないで”早期から介入することが重要です。本書をひもとき、看護師として「明日からできる!」ことを増やしていきましょう。

 

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