人生の終焉を迎える人にどう語りかけるか

「人生の終焉を迎える人」(自分で死を意識するようになった時期から亡くなるまでの期間に生きる患者・利用者)にナースはどのような声かけをすればよいのか……
さまざまな現場から報告します。

 

 

終焉を迎える患者さんたちに向けて語れなかった自分

 

生駒 あづさ

公立富岡総合病院 3B病棟 副主任

 

コメント
内田 陽子
群馬大学大学院保健学研究科 教授

 

連載2回目となる「人生の終焉を迎える人にどう語りかけるか?」では、地域の中核病院で臨床一筋20年になる生駒さんからの報告です。うまく語りかけることのできなかった過去の事例における生駒さんの想いと、それをもとに語りをするためのヒントを内田陽子さんがコメントします。

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押さえておきたいワンテーマ

医療、看護、介護、福祉に関連したテーマを各回1テーマずつ取り上げていきます。

 

「デートDV」は、あなたのまわりにもきっとあります

 

阿部 真紀

認定NPO法人エンパワメント

かながわ 理事長

 

 

 

上智大学文学部心理学科卒業。夫の転勤に伴い、1989年から香港と米国カリフォルニア州で2児を育てる。帰国後、1999年よりCAP(子どもへの暴力防止)スペシャリスト。2004年エンパワメントかながわを設立。デートDV予防プログラムの開発と普及に携わり、2011年にはデートDVに特化した電話相談「デートDV110番」を開設した。デートDVを予防することでDVや虐待の連鎖を断ち切ることをめざし、全国の団体や機関がつながることを呼びかけ、デートDV防止全国ネットワークを設立。著書に『暴力を受けていい人はひとりもいない CAPとデートDV予防ワークショップで出会った子どもたちが教えてくれたこと』(高文研)

 

認定NPO法人エンパワメントかながわ(以下:EK)は、暴力のない社会の実現をめざし、自分たちで独自の暴力防止プログラムを開発・提供していこうと考え、2004年に設立しました。その最初に開発したプログラムが「デートDV(ドメスティック・バイオレンス)予防プログラム」です。

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生きるということ

「生と死」を
思わざるを得なかった日々

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鳥越俊太郎[ニュースの職人]

 

1940年生まれ。福岡県吉井町(現・うきは市)出身。京都大学文学部卒業後、毎日新聞社に入社。新潟支局、大阪社会部、東京社会部、「サンデー毎日」編集部に所属し、外信部(テヘラン特派員)を経て1988年4月より「サンデー毎日」編集長。1989年に退職して以降、テレビ朝日系列「ザ・スクープ」「サンデージャングル」でキャスターを務めるなど、テレビメディアに活動の場を移した。現在もさまざまなメディアで「ニュースの職人」として活躍中。著書に『人間力の磨き方』(講談社新書)『食べてよく寝て鍛えなさい』(内外出版社)など多数。

 

先日私の友人が脊柱管狭窄症で手術を受けた。全身麻酔が初めてで、不安だという。そこで私は言ってやった。

 

「麻酔学はものすごく進んでいるんだって。あんまり心配しなくていいんじゃない?」

 

こういう時には自分の体験を話すに限る。

 

私は全身麻酔の手術を10回受けている。

①難聴解消のための内耳の手術

②大腸がん摘出手術

③左肺への転移摘出手術

④右肺への転移同

⑤肝臓への転移同

⑥胃のGIST摘出手術

⑦脊柱管狭窄症手術

⑧同上

⑨同上

⑩同上

 

ちょっと見ただけでも難解そうな手術。

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【SPECIAL BOOK GUIDE】AI時代、人間にしか果たせない「新たな価値創造」『DXとポートフォリオで未来教育』が刊行

DX(デジタルトランスフォーメーション)★1により社会が大きく変わろうとする今、教育においても根本的な変革が始まっています。鈴木敏恵さん(未来教育デザイナー・一級建築士)による新刊『DXとポートフォリオで未来教育—対話でかなえる学びとキャリアのデザイン』は、DXで教育や人材育成、キャリア支援はどう変わるのか、その実現のプロセス、デジタル空間をステージに、ポートフォリオで躍動的に主体性や創造性を高める手法を解説します。

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生きるということ

 

人生は苦しい。人生は虚しい。

そして人生は美しい

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前川喜平[元・文部科学省 事務次官]

 

1955年奈良県生まれ。1979年東京大学法学部卒業後、文部省(現・文部科学省)入省。大臣官房長、初等中等教育局長などを経て、2016年文部科学事務次官、2017年退官。現在、現代教育行政研究会代表。福島市と厚木市で自主夜間中学のボランティア講師も務める。著書に『面従腹背』『権力は腐敗する』(毎日新聞出版)、『コロナ期の学校と教育政策』(論創社)など。

 

学生時代、私は仏教青年会に入っていた。と言ってもメンバーは各学年に1人か2人しかいなかった。ダンマパダやスッタニパータといった原始仏典(もちろん原語ではなく現代日本語訳)の読書会をやったり、秋月龍珉師という師家の指導で座禅修行をしたりしていた。悟りを開く境地には到底達しなかったが、今日の私の人生観や世界観の大元は仏教を通じて形成されたといっていい。

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