教育現場の立場から角田直枝さん、在宅現場の立場から大槻恭子さん、福祉現場の立場から鳥海房枝さんに、日々考えていること・気になっていること・感じていることなどを述べていただく私的エッセイ。
大槻 恭子
おおつき きょうこ
一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセ 代表理事
京都府南丹市出身。子どもの療養をきっかけに兵庫県但馬に移住し、築150年の古民家を購入。現在、その古民家を再生し看護小規模多機能型居宅介護事業所や訪問看護ステーションを運営。
「いのちのスープ」
1枚の写真
忘れられない1枚の写真があります。
それは、もう20年も前、息子の1歳のお誕生日の写真です。
息子は生まれてすぐに全身性の重度アトピーのような状態となり、ミルクはもちろん、母乳でさえアレルギー反応が出てしまいました。検査の結果では、食品そのものに大きな反応は見られず、化学物質などに反応しているのではないか、とのことでした。当時の私は、自分自身、そして息子にとって安心して食べられるものを見つけようと試行錯誤の日々でした。