看護職が辞めない組織をつくる!(24)〈最終回〉

訪問看護ステーションや高齢者ケア施設の管理者が抱える課題を浮き彫りにし、どうしたら職員が辞めない組織づくりができるのかについて指南します。

 

 

やりがいを共有できる組織

 

 

横山 郁子

よこやま いくこ

 

株式会社パーソナル・ナース 代表取締役/訪問看護塾 塾長
神奈川県訪問看護ステーション協議会 顧問

 

 

本連載もいよいよ最終回です。そこで今回は、看護師という仕事を続けられる理由の1つである「看護のやりがい」を取り上げたいと思います。

 

訪問看護の仕事をしているとき、やりがいを感じるのはどのような場面でしょうか? 症状コントロールがうまくいったとき、看護師として困難な状況を乗り越えられたとき、他職種の人から感謝されたときなど、さまざまな瞬間があると思います。どんな仕事でもそうですが、やりがいを感じるとそれまで仕事に対するモチベーションが低下していても、一瞬にしてリフレッシュされます。そのとき、やりがいを共有できる仲間がそばにいれば、喜びも増します。

 

しかし、訪問看護師は基本的に1人で行動するので、自分が「よっしゃ!」と強くやりがいを感じた場面があっても、その場に同じ喜びを共有できる仲間がいないことが多いのです。1人で感じる喜びは、仲間と共有した喜びよりも比較的早く記憶から消えてしまいます。そのため、職員同士がやりがいを共有しながら、職員がこの職場で頑張っていきたいという気持ちになってくれるような仕組みを組織として構築すると、離職率低下につながると考えます。

 

本稿では、職員が感じたやりがいを仲間と共有する仕組みをつくるための3つのポイントをお伝えします。

 

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〈新連載〉精神科訪問看護へようこそ

〈新連載〉

病棟から精神科訪問看護に飛び込んだこころさんが、看護大学で働くカワウソ先生との対話を通して在宅の精神科看護を学び、成長していく物語です。

 

川下 貴士 ●かわしも たかし

松蔭大学看護学部看護学科精神看護学 助教

 


 

第1回 その人なりに暮らしていく

 

精神科訪問看護ステーションに転職!

 

こころ 先生、お久しぶりです! 私、A訪問看護ステーションに転職が決まりました。夢だった精神科訪問看護師になれて本当にうれしいです!

 

カワウソ おめでとうございます! 夢を実現するって、本当に素敵なことですね。ところで、Aステーションと言えば、精神科訪問看護ステーションとして有名なところじゃないですか。

 

こころ そうなんです。看護師になったら、絶対にここで働きたいと思っていたので、毎日がとても新鮮で、すごく楽しいです! ……それで、初めて先輩と同行訪問したんですが、その患者さんが、何て言うか、すごかったんです!

 

カワウソ 毎日楽しいというのは、すごくよいことですね。初めての同行訪問はどうでした? ぜひ聞かせてください。


POINT①
復唱する傾聴のテクニックです。こころさんの発言を促します。


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宮子あずさの気まぐれコラム(43)

精神科病院で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります

 

(43)きょうだいの支援

 

 

医療保護入院の制度変更

 

私が勤務する慢性期閉鎖病棟では、ほとんどの患者が任意入院。しかし、どの時期でも1人か2人、医療保護入院による患者がいます。

 

医療保護入院は、家族の同意による入院。該当する親族がいない場合のみ、市町村長の同意が必要となります。
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折々のはなし㉕

教育現場の立場から角田直枝さん、在宅現場の立場から大槻恭子さん、福祉現場の立場から鳥海房枝さんに、日々考えていること・
気になっていること・感じていることなどを述べていただく私的エッセイ。

 

 

角田 直枝

かくた なおえ

常磐大学大学院看護学研究科

 

病院・訪問看護ステーション勤務をはじめ、日本訪問看護振興財団の認定看護師教育課程訪問看護学科などで教育に携わる。2010年より茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター看護局長を12年間勤め、2022年3月に退職。同年4月より現職。がん看護専門看護師、特定行為研修修了者。

 


 

人生100年時代版発達課題

 

4月に入学した学生たちも、だんだんと落ち着いてきたこの時期。学部の1年生は最初の実習を終え、看護の扉を開いたばかりです。初めての実習では、自分のイメージよりも看護師という職業の活躍の場が幅広いことを学び、目がキラキラとしてきます。一方、4年生はつらそうな顔をした学生が増えてきます。その理由の1つが就職試験の変化によるものです。

 

 

看護学生の就職戦線に変化?

 

ここ数年、就職試験の様相がだいぶ変わってきました。変化の1つは、就職試験時期の前倒しです。最近では、3月1日から就職試験の申し込みが始まる病院も複数あります。本学では3年生の2月ぎりぎりまで実習があるので、試験の受付が早い病院を選ぶ学生は、実習が終わるや否や、3年生のうちからエントリーシートの作成に取りかからなければなりません。4年生の6月には、3人に1人くらいの学生が、すでに内定をもらっています。

 

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行動変容をそっと促す ナッジを使ったアプローチ㉕

ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動へと促す設計のこと。ゲストスピーカー・医療職のタマゴたちとともに、看護・介護に役立つヒントを示します。

 

 

 

ナッジで睡眠時間の確保は難しい?

 

竹林 正樹

たけばやし まさき

青森大学 客員教授/行動経済学研究者

 

石田 陽子先生

いしだ ようこ

株式会社心陽CEO
本郷睡眠センター心陽クリニック院長

 

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医療職のタマゴたちが交代でナッジを学びます。

金田 侑大さん

城戸 初音さん

難波 美羅さん

 

 

なかなか手放せない夜のスマホ

 

竹林 前回に引き続き、心陽クリニック(東京都文京区)で睡眠外来をしている石田陽子先生にお越しいただきました。

石田 よろしくお願いします。

金田 こちらこそ、お願いします! まずお聞きしたいのは、睡眠時間の確保に役立つようなナッジはあるのでしょうか?
石田 生活習慣へのナッジに関する系統的レビューでは、睡眠に関するナッジの研究は極端に少ない1)と報告されています。つまり、世界中の研究者の間でも「睡眠とナッジ」については苦戦していることが推察されます。ですが、課題を細分化していけばその切り口は見えてきます。
金田 それなら……、「なんとなく夜更かししてしまう人たち」ではどうでしょうか。

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