看護職に選ばれる病院・施設

各都道府県ナースセンターが病院や施設向けに実施している定着・促進事業の中で得られた「看護職に選ばれる病院・施設」になるためのポイントや、具体例を紹介します!

 

 

vol.14 青森県ナースセンターからの提案!

 

青森県の「看護職に選ばれる病院・施設」

の取り組み

 

須藤 裕子

青森県看護協会 青森県ナースセンター
ナースセンター長

 

田沢 政子

同センター相談員チームリーダー

 

豊木 利志子

同センター相談員

 

白坂 町子

同センター相談員

 

本稿では、青森県ナースセンターにおける求人求職者の年次変化から見えてきた求人票作成のポイントや、3つの病院の実際の取り組みを紹介します。

 

 

青森県の現状

 

2023年の青森県の高齢化率は34.3%(全国5位)と高く、2040年には46.8%に上昇する見込みです。高齢化が加速し看護需要が拡大する中、2022年の人口10万対就業看護師数は1118.2人(全国27位)で、さらに2040年には県内全体で看護職が5000人不足し(青森県看護協会の青森県看護職員推計就業者数より)、医療・介護・福祉に従事する看護職の確保がますます厳しくなると予測しています。

 

青森県ナースセンター(以下:当センター)でも、青森県やハローワークと連携しながら看護職の人材確保・定着に取り組んでいます。

 

 

→続きは本誌で(看護2024年5月号)

 

【Book Selection】新刊書籍のご紹介

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【SPECIAL INTERVIEW】患者安全と医療の質向上のために TeamSTEPPSを活用しよう



 

 

髙橋 則子さん

 

1977年慈恵看護専門学校卒業後、東京慈恵会医科大学附属の4病院中3病院に勤務。師長、副部長、看護部長・副院長を歴任し、2013年より現職。1991年日本看護協会看護研修学校(管理専攻学科)修了。2006年産業能率大学経営情報学学士、2012年認定看護管理者取得。

 

患者安全と医療の質向上のために

TeamSTEPPSを活用しよう

 

東京慈恵会医科大学附属病院看護部・医療安全管理部は、医療安全の方略である「TeamSTEPPS」の活用法についてまとめた書籍を6年ぶりに改訂・改題し、『医療安全を推進するTeamSTEPPS®実践事例 チームが成長する7つのツール』として上梓しました。執筆者の一人である髙橋則子さんにお話をうかがいました。

 

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行動変容をそっと促す ナッジを使ったアプローチ㉑

ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動へと促す設計のこと。ゲストスピーカー・医療職のタマゴたちとともに、看護・介護に役立つヒントを示します。

 

対象者を細分化する・相手に聞く

 

竹林 正樹

たけばやし まさき

青森大学 客員教授/行動経済学研究者

 

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医療職のタマゴたちが交代でナッジを学びます。

金田 侑大さん

城戸 初音さん

難波 美羅さん

 

 

対象者を細分化して情報を提供する

 

竹林 前回*1、前々回*2と、溝田友里先生(静岡社会健康医学大学院大学)から、ソーシャルマーケティングを組み合わせたがん検診受診や予防行動促進の実践的なお話をうかがいました。難波さんはどう感じましたか?

 

難波 大学でソーシャルマーケティングを学びましたが、正直、具体的なイメージがわきませんでした。でも、溝田先生から「問題の対象を細分化し、ターゲットに合ったアプローチを実施する手法」と教えていただいたおかげで、よくわかりました。

 

竹林 私たちは「誰一人取り残さない」と願うあまり、対象の全員をターゲットにする手法を使いたくなることが多いのです。例えば、がん検診の受診促進に関するチラシをつくるとき、全員をターゲットにしようとすると、「検診のことをよく知らないから受けない」「検診に批判的な意見を持っているから受けない」という人へのメッセージも入れることになりますね。しかし、こういった人たちは実は少数派で、さらにチラシを送られてもあまり読まない人が多いのです。数字で考えてみましょう。難波さんの地域では、がん検診に対して無関心な人は何割くらいいると思いますか?

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折々のはなし㉓

教育現場の立場から角田直枝さん、在宅現場の立場から大槻恭子さん、福祉現場の立場から鳥海房枝さんに、日々考えていること・気になっていること・感じていることなどを述べていただく私的エッセイ。

 

 

大槻 恭子

おおつき きょうこ

一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセ 代表理事

 

京都府南丹市出身。子どもの療養をきっかけに兵庫県但馬に移住し、築150年の古民家を購入。現在、その古民家を再生し看護小規模多機能型居宅介護事業所や訪問看護ステーションを運営。

 


 

「いのちのスープ」

 

1枚の写真

 

忘れられない1枚の写真があります。

 

それは、もう20年も前、息子の1歳のお誕生日の写真です。

 

息子は生まれてすぐに全身性の重度アトピーのような状態となり、ミルクはもちろん、母乳でさえアレルギー反応が出てしまいました。検査の結果では、食品そのものに大きな反応は見られず、化学物質などに反応しているのではないか、とのことでした。当時の私は、自分自身、そして息子にとって安心して食べられるものを見つけようと試行錯誤の日々でした。

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