当社おすすめ書籍を、新刊・既刊・古典織り交ぜてご紹介!!
榊原 千秋 さん(写真前列左から2人目)
(さかきばら・ちあき)
うんこ文化センター おまかせうんチッチ 代表
保健師・助産師・看護師・保健学博士
愛媛県宇和島市出身。保健師、ケアマネジャーを経験し、2005年に金沢大学大学院保健学系地域・環境保健看護学分野の助教・講師を経て、2015年石川県小松市に「合同会社プラスぼぼぼ」を立ち上げて独立。同時に「コミュニティスペースややのいえ」を開設。NPO法人日本コンチネンス協会認定コンチネンスアドバイザー。
「もっと“その人”の思いに寄り添った排便ケアを!」と考えた保健師・榊原千秋さんは、排泄ケアと便育の拠点“おまかせうんチッチ”を確立させ、その取り組みを『コミュニティケア 2018年11月臨時増刊号』で発信しました。そして2020年12月、臨時増刊号は、その内容を大幅にバージョンアップして書籍化。おすすめポイントを編集担当者がうかがいました。
訪問看護ステーションにおけるBCP(事業継続計画)の
策定、防災・減災対策のポイントを解説するとともに、
実際の事例などをとおして災害時の
対応・危機管理のあり方を示します。
災害対応の基本①
災害対応の原則
「CSCATTT」
寺田 英子
てらだ ひでこ
災害看護専門看護師/認定看護管理者
災害時にサービスを提供し続けるために
近年、地震や風・水害、雪害などの自然災害に加え、2020年初めに発生した新型コロナウイルス感染症のような新興感染症のパンデミックなど、全国各地でさまざまな災害が発生し、人々の命と暮らしを脅かしています。
こうした危機に備えて、企業・団体・医療機関等では災害時にも業務を存続させるために事業継続計画(Business Continuity Plan: BCP)の策定が進められてきました。BCPは、災害や事故などの理由を問わず重要な業務を中断させない、あるいは中断しても、可能な限り短い期間で復旧するための方針・体制・手順等を示した計画のことをいいます。
訪問看護ステーションの事業は、日々継続して行わなければならず、災害時においても、利用者へのサービスを安定的に提供することが重要です。医療・介護サービスの継続は人命に直結するため、災害によって中断されると、結果的に利用者の健康障害につながります。だからこそ、訪問看護ステーションにもBCPの策定が求められます。
本連載では、まず今号から3回にわたって災害対応の基本である危機管理のポイントについて示します。以降、小・中規模の訪問看護ステーションでも取り組みやすいBCPの策定手順をステップを踏みながら解説するとともに、実際にBCPを導入したステーションの事例も紹介します。また、職員のメンタルヘルスケア、停電時の対応、実災害での実践事例を取り上げる予定です。
精神科病院の訪問看護室で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります
東京だから地域で暮らせる?
「患者さん」にして「利用者さん」
私の職場は精神科病院の訪問看護室。利用者さんは全員、当院外来に通院しています。外来では「患者さん」、訪問看護室では「利用者さん」。意識していないと、つい「患者さん」と言ってしまいます。
主な疾患は統合失調症で、50年以上の長期入院を経て退院した人もいます。病院の創立は1927年。ベッド数は約650床。退院促進への取り組みはかなり熱心だと感じます。
医学監修の小玉城氏(左)と共に
呉 小玉さん
Wu Xiaoyu(ウー・シャウユイ)
京都光華女子大学健康科学部看護学科 教授
中国湖南省医薬学院卒業後、桃源県立病院に入職し、看護部長経験後、1998年財団法人日中医学協会による笹川医学奨学金第21期生として来日。1999年兵庫医科大学救急部研修生、2000年大阪府立看護大学修士課程を経て、兵庫県立看護大学博士課程を2005年に修了。その後、園田学園女子大学、北海道名寄市立大学、兵庫県立大学地域ケア開発研究所・看護学研究科を経て、2017年4月から現職。
今日、看護が対象とするのは「病人(患者)」にとどまらず「生活をする人」です。そこで役立つのが「人間と自然の統一と調和」を最終目標とする中国の“天人相応”思想をベースとした「中医看護」の理論。“その人全体”をみるその理論は、病院・施設・在宅、すべてのナースが活用できます。中国で臨床を経験した呉小玉先生だからこそ書けた本書についてうかがいました。