訪問看護ステーションにおけるBCP(事業継続計画)の
策定、防災・減災対策のポイントを解説するとともに、
実際の事例などをとおして災害時の
対応・危機管理のあり方を示します。
日常的な対策で、災害に強いステーションをつくる
真柄 和代
まがら かずよ
公益財団法人筑波メディカルセンター
訪問看護ふれあい・サテライトなの花 統括管理者
「平成27年9月関東・東北豪雨」の被災経験から
2015(平成27)年9月9日から11日にかけて、関東・東北地方を襲った豪雨は、鬼怒川を氾濫させ、茨城県常総市の広範囲に水害をもたらしました。当時、筆者が勤務していた訪問看護ステーションの事務所も浸水し、社用車やカルテも泥水によって大きな被害を受けました(写真1)。幸い、利用者とその家族、職員は全員無事でしたが、職員が緊急退避中に浸水域に取り残され、人的な被害を受けました。水害の恐ろしさを経験し、その後、日本全国で発生する豪雨被害をテレビ等で目にするたびに、この地域のステーションは無事だろうか? 利用者は避難できたのだろうかと考えます。