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研修「患者の語りから看護を創造する」のねらいと評価

 

佐藤 幹代●さとう みきよ

自治医科大学看護学部成人看護学 准教授

森田 夏実もりた なつみ

桜楓カウンセリング研修会 代表/看護師

射場 典子いば のりこ

聖路加国際大学大学院看護学研究科 准教授

戸沢 智也とざわ ともや

獨協医科大学看護学部成人看護学(慢性期) 講師

 

筆者らは、認定NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン(後述)の理事または運営委員であり、研修「患者の語りから看護を創造する」を企画、実施してきました。本稿では本研修企画の経緯と、目的やねらい、受講者や研修担当者からの感想や評価を紹介した上で、今後の展望を示します。

 

はじめに

 

1.「語り」の大切さを届けたい

コロナ禍を経て、対面で話すことの重要性があらためて問われています。長年、医学部でコミュニケーション教育に携わってきた中村は、「医療に携わる人々は『人の語り』を鏡として人のいのちの意味を知り、自分の構えを見つめ、ディスカッションを通して人間理解を深めることができる」と述べています1)

 

筆者らも、長らく「患者の語り」に注目し活動してきました。看護職は患者に日々接していますが、患者から語られる言葉をもっと丁寧にすくい上げることを重視することで、そこから本当に必要とされている看護を創造することができるのではないかと考えています。

 

今回紹介する看護職を対象とした「患者の語りから看護を創造する」というタイトルの研修を企画するに至った経緯は、今から4年前に筆頭筆者(以下:佐藤)が、栃木県看護協会の研修講師をしていたとき、担当スタッフに、「患者の声を臨床現場で働く人に届けたい」という願いを伝えたことから始まりました。研修として、これまで多くは語られることがなかった患者の内なる声に耳を傾けることの意味を、看護職の方々に考えていただく好機になると考えたからです。

 

本稿では、本研修を企画した経緯と趣旨、プログラムの概要を説明し、企画者や受講した方々の反応を通して、これからの研修の展望について述べていきたいと思います。

 

→続きは本誌で(看護2024年6月号)