アンガーマネジメント(14)

怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。

 

 

理想の未来を描いて
ワクワクする日々を過ごす

光前 麻由美

 

 

問題解決思考から解決思考へ

 

私たち看護職には、患者・利用者の看護上の問題を明確にして、それを解決するための援助を検討し実践するという“問題解決思考”が染みついています。これは、患者・利用者に安全な看護を提供する上では欠かせません。

 

半面、問題に焦点を当てる考え方は、「何が問題なのか」「原因は何か」といった追求、ひいては「誰が悪いのか」といった犯人探しになりやすい点に注意が必要です。

 

人間関係においては、「何が問題なのか」ではなく「どうしたらよくなるか」と未来に目を向ける“解決思考”で考えるほうがよい場合も多くあります。アンガーマネジメントでも、「どうしたいのか」「どうなりたいのか」と未来に意識を向けて考え、取り組むためのアプローチを大切にしています。

 

そこで今回は、そうした考え方をするためのヒントとトレーニングを紹介します。

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特別寄稿

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本訪問看護財団は訪問看護ステーションにおける同感染症への対応について情報発信を行っています。対応の基本や事業継続計画、利用者・家族への説明、スタッフ・利用者・家族に感染者が発生した場合に実施すべきこと、訪問看護ステーションの運営に関する臨時的措置や融資制度について解説いただきます。

 

 

1972年高知県立高知女子大学家政学部衛生看護学科卒業。1973年東京白十字病院勤務。1986年日本看護協会訪問看護開発室。1995年旧厚生省訪問看護係長、介護技術専門官および看護専門官。2001年日本訪問看護振興財団事務局次長を経て常務理事。2012年より公益財団法人日本訪問看護財団常務理事。

 

訪問看護ステーションにおける

新型コロナウイルス感染症対策

佐藤 美穂子

 

 

政府は1月28日に新型コロナウイルス感染症を指定感染症・検疫感染症に指定しました。その後、感染者数は増え続け、4月9日現在5000人(クルーズ船除く)を超え、クラスター感染のほか感染ルートの確認できない患者も東京・大阪などの都市部を中心に急増しています。

 

入院患者の増加に伴い、政府は4月2日、軽度者等は医療機関以外での宿泊療養および自宅療養とするよう方針を切り替えました。地域での軽度者等の療養がどのように進められるのか、またそれに訪問看護ステーションがどのようにかかわるのかなどは現時点では不明ですが、医療・介護の双方を担う訪問看護はその対応力を問われることが予測されます。

 

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地域ケアの今(55)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

「新型コロナウイルス」について思う

 

文:鳥海房枝

 

未知のウイルスが与えた影響

 

この原稿が皆さんの目に触れるころには新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立っているのか、大変気になるところです。3月初旬現在、東京の街はマスク姿の人々が目立ち、当たり前だったラッシュアワーの満員電車にも隙間ができています。デパートは営業時間を短縮し、繁華街も明らかに人出が少なくなっています。そして、テレビは発症者数をリアルタイムで伝え、その影響が各産業分野に及んでいる様子は、これまでの私の体験をはるかに超えたものです。

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訪問看護ステーションの経営戦略(26)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

居宅介護支援事業所の併設

渡邉 尚之

 

訪問看護ステーションの経営者の中には、自ステーションになんらかの関連事業所の併設を検討したことのある人もいるでしょう。例えば居宅介護支援事業所や訪問介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所などです。

そこで今回は、訪問看護ステーションが居宅介護支援事業所を併設した場合のメリットやデメリット、採算性などについて考えます。同事業所の開設を検討しているステーションはもちろん、すでに併設しているステーションにも、採算性などを再検討する機会となれば幸いです。

 

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本人・家族とのかかわりの悩みはこれですっきり!(12)

「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」をベースとした による
分析やアプローチ方法、カンファレンスの進め方について解説します。

 

 

支援者にとっての
人間関係見える化シートの効用

渡辺 裕子

 

 

 

はじめに

 

4月から開始したこの連載も、早いもので12回目となりました。1回目から6回目までは、人間関係見える化シートの根底にある概念を事例を基に解説しました。7回目には、それらの考え方を根底に据えた人間関係見える化シートをご紹介し、8回目以降は4つの事例について事例検討会での検討結果をお伝えしました。

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