NT2013年8月号連載【退院支援の仕組みづくりと実践事例】紹介

NT1308表紙ナースたちが退院支援の仕組みをつくり、うまくいっている病院の実践事例を1つ取り上げ、「意思決定支援」と「自律支援」を軸に病棟ナースと在宅ナースがそれぞれの実践を振り返ります。加えて管理者から仕組みづくりの経緯とその内容をうかがいます。

 

 

 

 

 

[監修]

宇都宮 宏子 (在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス)

[筆 者]

堀尾 素子(精神療養病棟看護師)

角間 広美(訪問看護ステーション レインボウはたしょう)

力石 泉(看護部長)

 

今月の病院 

豊郷病院

 

事例紹介

 

Aさん(70代/女性)

既往歴:レビー小体型認知症

 

社交的で明るい性格。お嬢様として育ち、高校卒業後21歳で結婚。2児をもうけ、しつけに厳しい厳格な母親・専業主婦として過ごす。55歳で夫が他界した。

 

長男は40代独身で大学卒業後大手企業に就職し、現在他県に赴任中。50代の長女はてんかん、知的障害があり作業所に通所中。長女と二人暮らしをしていた。

続きを読む…

NT2013年6月号連載【退院支援の仕組みづくりと実践事例】紹介

NT2803-表紙下ナースたちが退院支援の仕組みをつくり、うまくいっている病院の実践事例を1つ取り上げ、「意思決定支援」と「自律支援」*)を軸に病棟ナースと在宅ナースがそれぞれの実践を振り返ります。加えて管理者から仕組みづくりの経緯とその内容をうかがいます。

 

 

 

 

 

[監修]

宇都宮 宏子 (在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス)

[筆 者]

田中 三奈子(退院調整看護師)

藤本 佳代(訪問看護師)

上山 早苗(看護部長)

 

今月の病院 

萩原中央病院

 

 

事例紹介

 

Aさん(85歳/女性)

 

Aさんは、夫(86歳)と次男の3人暮らし。肝硬変末期で腹水貯留による体動困難と倦怠感が強く、長男が住む近県の病院に50日間入院していたが、「夫が毎日面会できる自宅近くの病院がいい」と当院に転院した。長男夫婦は共働きだった。

 

入院前は何とか自立した生活を送っていたが、病状は日々悪化し、転院時にはポータブルトイレへの移乗がやっとできる状態だった。

続きを読む…

NT2013年6月号連載【新看護学事典】紹介 清水耕一

 

NT2013年6月号の連載「楽しく読んじゃう 新★看護学事典」では、事典2で「清水耕一」の解説を執筆してくださった鷹野朋実先生(日本赤十字看護大学精神保健看護学講師)からエッセイをおよせいただきました。

 

精神科看護の礎

 

私が東京都立松沢病院という精神科病院の看護師だったころ、院内図書室で「至誠の人 清水耕一君」と題された、明治から昭和初期に松沢病院(前身の巣鴨病院も含む)で勤務していたある看護人の生涯を綴った冊子を見つけました。これが、私と清水耕一との出会いです。清水には、日本赤十字社の看護人として戦時救護に従事したり、多数の読者に支持された著書『新撰看護學』の執筆など、さまざまな業績があります。

 

清水は、松沢病院の医療・看護の惨憺たる状況を改善しようと、精神科医の呉秀三が病院を大改革していたころの看護長です。呉は、清水に絶大な信頼を寄せていたそうです。これを知った時、18世紀、フランスの精神科病院で“鎖からの解放”を行った精神科医ピネルの傍らで、彼の改革を支えた男性看護人ピュサンを想起しました。清水も、呉の病院改革にかかわっていたかもしれません。病院が巣鴨から移転した直後に以下のようなことがあったと、そこに居合わせた医師が後に述懐しています。

 

新しい松沢病院の塀は、呉の“病院と周囲の境界は簡易に”という主張から、従来の頑強な塀ではなく大部分が生け垣と簡素になりました。そこで清水が「これでは私たちは仕事ができない」と呉に言ったのです。「この塀では患者が簡単に離院してしまい、大変だ」ということなのでしょう。すると呉は、「病人の囲いは看護人の目で行いなさい、垣根に頼るからいけない」と答えたそうです。(続く)

 

 

★清水耕一

日本赤十字社中央病院救護看護人養成所1期生。精神科看護に熱い情熱を持ち、明治から昭和初期にかけ、東京府巣鴨病院(後の東京都立松沢病院)に勤務(看護学事典第2版より)。

 

 

 

ナーシング・トゥデイ6月号特集「誌上コンサルテーションシリーズ② 実践! エンド・オブ・ライフケア

NT2803-表紙下6月号の特集テーマは「実践! エンド・オブ・ライフケア」です。

多様な医療現場でのさまざまな疾患の終末期医療のあり方について、「エンド・オブ・ライフケア」という新しい考え方が生まれつつあります。「緩和ケア」や「ターミナルケア」を包括しながら、患者の終末期だけではなく長い人生を最期までどう支えるかという視点を持つこの考え方、また考え方の中核となる「アドバンス・ケア・プランニング(意思決定支援計画)」について解説し、看護の視点でどのようにエンド・オブ・ライフケアを実践したらよいのかをご紹介します。「誌上コンサルテーション」では、困難事例6題について解決策を模索します。

 

 

 

監修:長江弘子

千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学特任教授

 

 

患者・家族の生活文化に即したエンド・オブ・ライフケア

長江弘子

(千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学特任教授)

 

日本のエンド・オブ・ライフケアの現状と課題

増島麻里子

(千葉大学大学院看護学研究科成人看護学准教授)

 

看護実践

看護実践に生かすエンド・オブ・ライフケア

その構成要素と課題

長江弘子

(千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学特任教授)

 

看護実践

エンド・オブ・ライフケア看護実践のポイント

――「病状説明と治療の選択」「家族支援」「療養の場の意思決定」を例に

櫻井智穂子

(千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学特任講師)

 

 

実践に重要な考え方―アドバンス・ケア・プランニング

アドバンス・ケア・プランニングとは?

――患者にとっての最善を考える

谷本真理子

(東京医療保健大学医療保健学部看護学科教授)

 

実践に重要な考え方―アドバンス・ケア・プランニング

スマイルチームによるアドバンス・ケア・プランニングの実践

横江由理子

(国立長寿医療研究センターEnd of Life Careチームリーダー)

 

困難事例の誌上コンサルテーション

 

1 高齢のがん患者へのエンド・オブ・ライフケア 

藤澤陽子(千葉大学医学部附属病院/がん看護専門看護師)

 

2 神経難病(ALS)におけるエンド・オブ・ライフケア 

村岡宏子(東邦大学看護学部教授)

 

3 認知症におけるエンド・オブ・ライフケア 

髙道香織(国立長寿医療研究センター/老人看護専門看護師)

 

4 腎不全におけるエンド・オブ・ライフケア 

田中順也(市立堺病院/慢性疾患看護専門看護師)

 

5 呼吸器疾患におけるエンド・オブ・ライフケア

千葉恵子(亀田総合病院/緩和ケア認定看護師)

 

 

6 小児に対するエンド・オブ・ライフケア 

竹之内直子

(神奈川県立こども医療センター看護局/小児看護専門看護師)

NT2013年6月号連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】紹介

NT2013年6月号の連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】のテーマは、

 

〈すべての日常生活行動を支える形態と機能〉

恒常性維持のための流通機構③心臓/血圧編

「心臓/血圧編」の看護形態機能学視点のヘルスアセスメントでは、従来のフィジカルアセスメントに以下のような視点が加わります。

072-077

 [執筆]蜂ヶ崎令子(聖路加看護大学博士後期課程)