ナーシング・トゥデイ10月号特集 誌上コンサルテーションシリーズ④ 病院と在宅をつなぐ 高齢糖尿病患者への看護

NT1310表紙10月号の特集テーマは「病院と在宅をつなぐ 高齢糖尿病患者への看護」です。

 

糖尿病患者の増加とその高齢化に伴い、「高齢糖尿病患者」が増加しています。高齢糖尿病患者は糖尿病以外の疾患を併せ持つことも多く、入院をきっかけに糖尿病に対する自己管理が十分にできなくなることが少なくありません。本来なら入院をきっかけに療養生活の見直しや調整の必要がありますが、どのようにかかわればよいかという「ケアの視点」がわからないために在宅への調整に時間を要することもあります。特集では、高齢糖尿病の特徴と在宅への視点を重視したケアについて紹介します。後半の「誌上コンサルテーション」では、困難事例5題について解決策を模索します。

 

監修:森小律恵

(日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程糖尿病看護学科/糖尿病看護認定看護師)

 

糖尿病の高齢化に伴う新たなケアの視点―臨床ナースの役割

森小律恵

 

座談会 高齢糖尿病患者ケアを在宅へつなぐ

鈴木恭子

(聖隷佐倉市民病院総合相談室/メディカルソーシャルワーカー)

飯塚広美

(せいれい訪問看護ステーション佐倉/所長)

髙橋弥生

(聖隷佐倉市民病院/糖尿病看護認定看護師)

 

 

実践に必要なアセスメントと生活への理解

 

高齢糖尿病患者の身体的・社会的・心理的特徴とアセスメント

竹山聡美

(東京臨海病院/糖尿病看護認定看護師)

 

高齢糖尿病患者の生活への理解

田井さやか

(大阪府済生会中津病院/糖尿病看護認定看護師)

 

 

困難事例の誌上コンサルテーション

 

1 肺炎による入院をきっかけに食欲低下、入院中低血糖を繰り返しているケース

弘田伴子

(日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程 糖尿病看護学科/糖尿病看護認定看護師)

 

2 インスリン自己注射指導が進まないにもかかわらず、医師から退院を急かされるケース 

大瀧陽子

(新潟県立新発田病院/糖尿病看護認定看護師)

 

3 インスリン自己注射ができないことを理由に退院調整が進まないケース

長嶋美里

(国立病院機構信州上田医療センター/糖尿病看護認定看護師)

 

4 認知症の進行(初期)にもかかわらずMSW・訪問看護師との調整がなかなか進まないケース 

松田佳美

(にしだわたる糖尿病内科/糖尿病看護認定看護師)

 

5 身体機能が低下してきたことで、食事や運動療法が困難になったケース

窪岡由佑子

(兵庫医科大学病院/糖尿病看護認定看護師)

 

NT10月号のその他の内容はこちらから

NT2013年8月号連載【チームづくりのお悩み相談】紹介

NT1308表紙NT2013年8月号の【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、

 

「“指導に向いていない”などと、

後輩指導に消極的な人がいます」

 

 

チーム全体へ向けた状況説明・確認の重要性

 

上司から提示された方針に納得がいかない、提示された方針に反発が出るなどといった状況は、チームが混乱期から統一期に向かうための重要な局面と言えます。メアリー・パーカー・フォレット(Follett MP)は「人は本来、人の命令では動かない。人は、命令の背景にある状況の理解・納得で動く。命令の非人間化が必要だ」と言っています。

 

方針への反発が出た時こそ、チーム全体であらゆる角度から状況を理解し合うチャンスです。フォレットの「状況の法則」とは、リーダーの主張の「社会的意義」「組織にとってのメリット」「自分にとってのメリット」「緊急性」などを説明することで、リーダーからの命令ではなく「状況が自分に決断を求めているのだ」という感覚を持ってもらうことです。

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NT2013年8月号連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】紹介

NT2013年8月号の連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】のテーマは、

 

〈すべての日常生活行動を支える形態と機能〉

恒常性維持のための流通機構④リンパ編

 

 

「リンパ編」の看護形態機能学視点のヘルスアセスメントでは、従来のフィジカルアセスメントに以下のような視点が加わります。

 

072-077

[執筆]加藤木真史(聖路加看護大学基礎看護学助教)

ナーシング・トゥデイ8月号特集「誌上コンサルテーションシリーズ③ 「つらくない」「痛くない」褥瘡ケア

NT1308表紙8月号の特集テーマは「「つらくない」「痛くない」褥瘡ケア」です。

がん医療で定着してきた緩和ケアの概念が、がん以外の患者のケアにも導入されるようになってきました。褥瘡ケアにおいても、「QOLを保障するケア」が注目され、その1つとして「疼痛緩和に配慮したケア」が挙げられています。特集では、褥瘡ケアに伴うつらさや痛みについて解説し、「痛みのアセスメント」「体圧分散ケア」「スキンケア」「ドレッシング材・テープの選択」「処置時に使用する薬剤」といった苦痛を緩和するための実践をご紹介します。後半の「誌上コンサルテーション」では、困難事例5題について解決策を模索します。

 

 

監修:祖父江正代

(江南厚生病院/皮膚・排泄ケア認定看護師/がん看護専門看護師)

 

「つらくない」「痛くない」褥瘡ケアにおけるナースの役割と看護の視点

祖父江正代

 

褥瘡ケアに伴う「痛み」「つらさ」の正体

小林陽子

(東京都健康長寿医療センター/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

 

 

実践とナースの役割

 

痛みのアセスメント

高木良重

(福西会病院/皮膚・排泄ケア認定看護師/がん看護専門看護師)

 

体圧分散ケア「病状説明と治療の選択」「家族支援」「療養の場の意思決定」を例に

祖父江正代

 

スキンケア

庭山由香

(杏林大学医学部付属病院/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

ドレッシング材・テープの選択

庭山由香

 

処置時に使用する薬剤

祖父江正代/石川眞一

(江南厚生病院緩和ケア科医師)

 

 

 

困難事例の誌上コンサルテーション

 

1 創に触れるだけで痛みのある患者へのケア 

丹波光子

(杏林大学医学部付属病院/皮膚・排泄ケア認定看護師)

2 薬剤がしみて痛いと訴える患者へのケア 

丹波光子

3 体圧分散マットレスによる不快感がある患者へのケア 

祖父江正代

 

4 痛みがあり、処置を拒否する患者へのケア 

高木良重

 

5 在宅でネグレクトが疑われた患者へのケア

小林陽子

NT2013年8月号連載【新看護学事典】紹介 共感疲労

NT2013年8月号の連載「楽しく読んじゃう 新★看護学事典」では、事典2「共感疲労」の解説を執筆してくださった武井麻子先生(日本赤十字看護大学教授)からエッセイをおよせいただきました。

 

ケア提供者の心理的疲弊

 

しばらく前からFacebookを利用していますが、最近、職場を辞めたという若い看護師の投稿が載っていました。どうやら勤務中に急変した患者を救えなかったことが、きっかけのようです。申し訳ないという気持ちが綿々と綴られていました。

 

こうした現象は、よく「バーンアウト」という言葉で語られますが、彼女はまだ卒業して3年です。燃え尽きたというにはあまりに早すぎる気がします。むしろ、「共感疲労」として捉えるべきなのでしょう。

 

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