ステーションの看護を見える化しよう!(8)

看護プロセスや実践知が明示・共有されづらいとされる訪問看護。その業務を“見える化”し、よりよいケアの提供や、管理者・スタッフの仕事の楽しさ向上につなげる方法を、谷口由紀子さんと、山本則子さんを中心とするグループが解説します。

 

事例研究:ワークシートを用いた看護実践の言語化・概念化

山花 令子 ◆村山 陵子 ◆山本 則子

 

 

エキスパートの看護職ほど、自分の実践を“当たり前のこと”“普通のことしかしていない” と感じることが少なくないようです。しかし、実際には専門的な知識・技術・経験を背景にした優れた実践を意識せずに行っていることも多いでしょう。私たちの研究グループ(日本学術振興会科学研究費助成事業、代表:山本則子)は、そのような優れた実践を意識化し、他者と共有したり蓄積したりできる事例研究の方法論の開発に取り組んでいます。優れた実践の可視化は、実践者が自信を持つこと、他者の実践を学び成長すること、自身の経験のない事例に関する示唆を得ることなどに役立つと考えられます。
前号では、看護実践の意識化・言語化(図1)のための対話や問いかけなどを紹介しました。今回は、ワークシートを使った振り返りと、実践内容の概念化(カテゴリー化)の方法を紹介します。

 


【編集部オススメBOOKs】vol.24 看護の本質とは何か――年のはじめに改めて振り返る

早いもので今年も残すところあとわずかです。

いつもは忙しくて、本を読む時間も気力もない……という方でも、年末年始は比較的ゆっくり過ごせる、ということもあるかもしれません。

年の初めに、新たな気持ちで「看護の原点」について振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

※これまでの「編集部オススメBOOKs」はコチラ

 

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SPECIAL BOOK GUIDE “地域包括ケア時代の訪問看護”を徹底解説『平成29年版 看護白書―訪問看護の新たな展開』刊行!

 

看護界の重要度の高いテーマを取り上げ、看護職として今押さえておくべきことをタイムリーに解説する公益社団法人日本看護協会編『看護白書』。平成29年版は「訪問看護」をテーマに、小児から高齢者までの“全世代を対象とした地域包括ケア”における看護の役割と、訪問看護ステーションおよび病院双方の視点から「生活と医療をつなぐ看護」の実践を解説しました。訪問看護の動向を知り、今後の取り組みを考える上で役立つ1冊です。

 

 

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地域ケアの今(26)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

散歩の効能

文:上野まり

 

いきなり私事で恐縮ですが、雨の日以外は大学まで徒歩で通勤しています。大学は自宅の最寄り駅の反対側にあり、自宅も大学も丘の上にあるため、坂道を下ったり上ったりするルートです。そのおかげか、平日は1日1万歩ほど歩いています。初めのうちは周囲に「それはよい運動ね! さぞかし痩せるでしょう」と言われていましたが、1年半がたち「どうして痩せないの? タラタラ歩いているんじゃない?」と厳しい指摘を受けています。


感性を磨く時間

今の大学に勤務するまでの約20年間は、バスと電車で片道1、2時間かけて通勤していました。電車に乗り遅れないよう走り、押し合いへし合い状態の車両に揺られ、勤務先に着くだけで疲れ果てていました。

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病いで苦悩の状態にある人に安楽をもたらす看護の技

他の医療職と看護職が大きく異なるのは、看護職は24時間患者さんの傍らにいる専門職だということです。常に患者さんに寄り添っているからこそ見えてくることがあるはずです。

 

忙しそうな医療者に遠慮して、痛くてもがまんしている患者さん、悩みを抱えているのだけれども誰にも話せず一人で抱え込んでいる患者さん……

そんな様子がうかがえたら、そっと患者さんに触れたり、ただ黙って側にいてみるだけで、もしかするとその人は少し安心するかもしれません。

 

今回のオススメ書籍は、看護職ならではの安楽をもたらすワザを紹介した本を集めました。

 

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