SPECIAL BOOK GUIDE 日本看護協会のオンデマンド研修がバージョンアップし、書籍として登場! 院内研修で使える同協会作成資料のダウンロードサービスも! 日本看護協会編『2022年度診療報酬改定対応 「重症度、医療・看護必要度」解説書』

前回の診療報酬改定時に日本看護協会が実施し、大好評を博したオンデマンド研修「院内研修に活用できる! 重症度、医療・看護必要度 まるわかりガイド」を書籍化。今次改定に基づきアップデートするとともに、内容を充実させました。本制度をコンパクトかつ過不足なく解説した、院内研修テキストにも自己学習用にもおすすめです。

 

■ 診療報酬改定と「重症度、医療・看護必要度」

「重症度、医療・看護必要度」は、入院患者の状態を客観的に評価することによって看護の必要量を把握し、適正な看護職員配置を検討するための指標として開発されました。2002年度診療報酬改定において導入され、以来、2年ごとの診療報酬改定で見直しが行われ、評価項目や「評価票」に変更が加えられてきました。名称も、「重症度」から「重症度・看護必要度」、そして現在の「重症度、医療・看護必要度」へと移り変わっています。

 

現在、急性期の入院患者の状態像を把握する全国的に標準化されたデータは、この「重症度、医療・看護必要度」のみで、これにより得られたデータは、各医療機関における入院患者の状態を踏まえた看護職員の配置などの看護管理に、さらには、国として今後の入院医療のあり方を検討する際に役立てられます。

 

■ 今次改定で「どこがどう変わったか」が一目瞭然

本書では、2022年度診療報酬改定における「重症度、医療・看護必要度」の「評価票」と「評価の手引き」を、厚生労働省通知に基づき全文掲載。その上で、前回改定からどこがどう変わったのかを一目でわかるよう表示するとともに、改定内容に伴う評価のポイントを整理しました。

 

■院内研修・院内監査の実施方法もわかりやすくガイド

また、「重症度、医療・看護必要度」の評価は「院内研修を受けた者が行うこと」と、「評価の手引き」に明記されています。

看護職員をはじめとする評価者が、院内研修を通して確実に評価の方法を身につけるには、まず、研修を実施する人が制度について十分に理解している必要があります。そこで、院内研修と院内監査の実施方法についても章を設け、具体的にわかりやすくガイドしました。日本看護協会作成の、院内研修で使える資料をダウンロードできるQRコードも掲載しています。

 

これさえ読めば、「重症度、医療・看護必要度」の評価実務の〈要するに〉がわかる、院内研修実施者・受講者のテキストとしても、自己学習用にも最適の1冊。皆さまの看護実践の正確な評価と質向上に、ぜひご活用ください。

 

6月中旬刊行予定

2022年度診療報酬改定対応
「重症度、医療・看護必要度」解説書

 

 

公益社団法人 日本看護協会 編

 

●B5判 112ページ

●定価2,640円

(本体2,400円+税10%)

ISBN 978-4-8180-2417-5

日本看護協会出版会

(TEL:03-5319-8018)

 

 

 

 

 

 

【目次】

第1章 「重症度、医療・看護必要度」とは

意義・目的/前回診療報酬改定までの変遷/今次改定の概要

第2章 2022年度診療報酬改定における「重症度、医療・看護必要度」

各「評価票」「評価の手引き」の改定のポイントと注意点(「一般病棟用 I」「同 II」「特定集中治療室用 I」「同 II」「ハイケアユニット用」「日常生活機能評価票」)

第3章 院内研修および院内監査の実施方法

院内研修の企画・実施/院内監査体制の構築/看護管理者の役割

資料/確認テスト問題例/Q&A/他 

 

看護2022年6月号より

 

 


行動変容をそっと促す ナッジを使ったアプローチ③

ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動をしたくなるように促す設計のこと。この連載では、3人の医療職をめざす学生がナッジを学ぶ姿を通して、看護・介護に役立つヒントを示します。

 

 

どんな認知バイアスがあるの?

 

竹林 正樹

たけばやし まさき

青森県立保健大学 博士/行動経済学研究者

 

 

疲れると認知バイアスの制御が難しい

 

竹林 前号では、認知バイアスに沿って禁煙を促すアプローチを紹介しました。脳には「直感」と「理性」の2つのシステムがあり、直感は象のように本能的で力が強く、一定の癖(認知バイアス)が生じやすいです。一方、理性は認知バイアスを制御する役割があるものの、疲れるとあまり機能しなくなります。冒頭の4コマ漫画で城戸さんがケーキに手を伸ばしたのは、数字の暗記に頭が疲れ、理性がうまく機能しなくなったからといえます1)。頭が疲れると、直感的に甘いものが食べたくなります2)。

 

城戸 栄養の大切さを伝えるとき、あまり頭を使わせる内容にすると、相手は帰りにケーキを食べたくなるかもしれないのですね。

 

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スペシャリストの実践知㉑

各分野のスペシャリストによる看護実践の過程から、困難事例への視点や日々の実践に役立つケア・コミュニケーションのポイント、スキルを学びます。

 

糖尿病

家族介護者の悩みに寄り添い
適切なサービスを提供する

今月のスペシャリスト:関屋 博子

 

 

 

千葉県にある新松戸中央総合病院を母体とする「医療法人財団明理会新松戸ロイヤル訪問看護ステーション」は現在、約80人の利用者がいます。そのうち糖尿病を持つ人の多くは、認知症を併発しています。このため、認知機能の低下により糖尿病療法の自己管理が困難となり、低血糖を起こすとさらに認知症の周辺症状が増強するという悪循環に陥ります。これにより、在宅療養の継続が難しくなることが少なくありません。

 

本稿では、認知症のある糖尿病療養者と家族への支援について報告します。

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【Book Selection】新人看護師とその入職に備える人におすすめ

当社おすすめ書籍を、新刊・既刊・古典織り交ぜてご紹介!!

 

 

 

 

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SPECIAL INTERVIEW 臨床でこそ使いこなしたい 「看護過程」と「看護理論」

阿部幸恵 さん

(あべ・ゆきえ)

 

東京医科大学医学部看護学科/

大学病院シミュレーションセンター 教授

 

防衛医科大学高等看護学院卒業。循環器、救命救急、高齢者施設、保育園で臨床を経験。1997年からの9年間は大学および大学院に在籍し、小学校教員免許、児童学博士号を取得。2006年以降、全医療者・医療系学生対象のシミュレーション教育に携わる。2011年琉球大学医学部附属病院地域医療教育開発講座准教授、2012年同講座教授およびおきなわクリニカルシミュレーションセンター副センター長、2014年東京医科大学病院シミュレーションセンターセンター長を経て、2017年より現職。

 

『臨床実践と看護理論をつなぐ指導』を上梓した阿部幸恵さんに、臨床現場における「実践」と「理論」の関係や、両者をつなぐ意義についてうかがいました。

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