福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。
前例にとらわれずに知恵を絞るべき時代
文:鳥海房枝
書類作成に忙殺される職員
先日、なにげなく見ていたテレビ番組で子どものいじめ問題が取り上げられ、識者や文化人(?)がさまざまなコメントを出し合う場面がありました。そこで、教師経験のある教育評論家が「教師が子どもと直接接する時間が大幅に減っている」と言い、その理由として、今の教師は必要書類の作成に時間が割かれ、大変忙しくなっているとのことでした。どこかで聞いた話に似ていると思いながら、第三者評価で訪れた保育所での保育士の姿や、高齢者ケア施設で働く介護職の置かれている状況に結びつけて考えてみました。