医療安全トピックス vol.173

 

■VOL.173

吉田 ちひろ

日本看護協会看護開発部看護業務・医療安全課

 

医療安全の確保・推進に向けた

2025年度の日本看護協会の取り組みについて

 

日本看護協会は、看護が提供されるあらゆる場での安全の確保と推進をめざして、事故の未然防止・再発防止の視点で医療安全事業の取り組みを進めています。本稿では、2024年度の主な取り組みを踏まえ、2025年度の医療安全事業を概観します。

 

●2024年度の取り組みの概要について

2024年度は、事故の未然防止、再発防止に向けた取り組みを中心に行いました。

 

インスリンに関連した事故の未然防止に向けた注意喚起として、日本看護協会(以下:本会)では、現場の看護職一人ひとりがインスリンバイアル製剤の取り扱いや投与方法をあらためて見直し、意識の向上をはかるためのチラシとポスターを作成しました。また、本会が運営する「看護職賠償責任保険制度」では、毎年、看護職における賠償責任保険の意義や看護職の法的責任などをテーマに研修を開催しています。2024年度は「インスリンバイアル製剤の安全な管理と法的責任」を、テーマの一つとして取り上げました。このほか、例年どおり、医療安全管理者の養成、「世界患者安全の日」や医療事故調査制度に関する取り組みなどを行いました。

 

2025年度も引き続き、「事故の未然防止・再発防止に向けた取り組みの推進」と「事故発生時ならびに事故の再発防止に向けた支援」を軸に事業を展開する予定です。以下に、実施予定の事業の一部を紹介します。

 

→続きは本誌で(看護2025年4号)