生きるということ

天使の衣装をまとったプロ

●●●

笠井 信輔[アナウンサー]

 

東京都出身。早稲田大学卒業後、フジテレビのアナウンサーを33年、情報番組「とくダネ!」を20年間担当。2019年10月フリーランスとなり、その2カ月後に血液がんである悪性リンパ種と判明。4カ月半の入院、抗がん剤治療の結果「完全寛解」となる。ブログは15万人、インスタグラムは20万人の

フォロワーを持つ。2021年に「#病室WiFi協議会」を立ち上げ、「病室にWi-Fiを!」運動をけん引している。

著書に闘病エッセイ「生きる力 引き算の縁と足し算の縁」(KADOKAWA)。今年8月に新刊本「がんがつなぐ足し算の縁」(中日新聞社)刊行予定。

 

「コロナ」と書いて「コドク」と読む。

 

私が血液がんの悪性リンパ腫と診断されたのは2019年12月。新型コロナウイルスが日本に上陸する直前でした。ステージ4、遺伝子異常があり脳に転移しやすく、予後の悪いがん。局アナからフリーアナに転身してわずか2カ月での宣告に、絶望とともに死を覚悟しました。

続きを読む…

発信力を高める文章講座 書き始める前に考えること

発信力を高めるために必要なのはテクニックだけではありません。

看護記録を書くとき、論文を書くとき、すべての文章を書く前に

知っておいたほうがよい大切な考え方をお伝えします。

 

extra1 

伝えるための基礎練習part1

 

因 京子

前 日本赤十字九州国際看護大学
看護学部教授

 

 

皆さま、お久しぶりです。本誌2019年6月号から2021年8月号まで文章の書き方について連載する機会をいただき、その後、連載の内容をまとめた『看護現場で役立つ文章の書き方・磨き方論理的に伝える技法』を2021年10月に上梓しました。おかげさまでご好評をいただき、少し内容を増やした第2版が、今年9月に発売されることになりました。これに先立ち、第2版に加わる予定の章の1つ「伝えるための基礎練習」を2回に分けてご紹介します。

 

続きを読む…

[特別寄稿]医療分野でのメタバースの活用

特別寄稿

医療分野でのメタバースの活用

 

梛野 健
順天堂大学医学部眼科学講座
順天堂大学医学部病院管理学研究室
順天堂大学大学院医学研究科デジタル医療講座

 

猪俣 武範
順天堂大学医学部眼科学講座 准教授
順天堂大学医学部病院管理学研究室
順天堂大学大学院AIインキュベーションファーム 副センター長

 

服部 信孝
順天堂大学大学院AIインキュベーションファーム センター長
順天堂大学大学院メディカル・メタバース共同研究講座 研究科長
順天堂大学大学院医学研究科神経学 教授

 

近年、注目を集めているメタバース。医療分野においても、その活用が広がっています。仮想空間上でアバターを介してコミュニケーションが可能となることから、臨床現場でのオンライン診療の普及を後押しするのはもちろん、今後、新たな医療サービスも開発されることが予想されます。本稿では、日本IBM株式会社とともに「メディカル・メタバース共同研究講座」を展開する順天堂大学のメンバーに、メタバースの基本知識、医療分野における活用方法と導入事例、さらには「順天堂バーチャルホスピタル」について解説していただきます。

続きを読む…

生きるということ

 

自分のやるべきことをやる

●●●

尾身 茂[医師・公益財団法人結核予防会理事長]

 

1949年生まれ。東京都中野区出身。1972年、慶應義塾大学法学部を経て自治医科大学に入学(1期生)。同大卒業後、伊豆七島を中心に地域医療に従事。1990年からWHO西太平洋地域事務局、1999年から同事務局長を務めた。2014年に独立行政法人地域医療機能推進機構理事長に、2022年に公益財団法人結核予防会理事長に就任。2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード構成員、新型コロナウイルス感染症対策分科会長も務めた。

 

われわれの生命は与えられるものです。自分だけで生まれ、自分で好きなようにつくってきたわけではありません。もちろん、生命には皆価値がありますが、両親からの遺伝子や環境など、それぞれが与えられる個性は違います。それぞれの個性に応じて悔いのないように生きるということが大事です。

続きを読む…

[特別寄稿]南海トラフ巨大地震に備えて

特別寄稿

南海トラフ巨大地震に備えて

支援を受ける「受援」の立場から

 

竹崎 久美子

高知県立大学看護学部 教授

 

国は、南海トラフの巨大地震が起きると、震度7の激しい揺れや10メートルを超える大津波が太平洋沿岸を襲い、最悪の場合、死者は32万人を超えるなどと想定しています。こうした中、医療機関、そして看護師にも、この大災害を想定した備えが求められています。本稿では、高知県立大学看護学部教授の竹崎久美子さんに、南海トラフ巨大地震の被害想定などを踏まえて、支援を受ける立場から、高知県におけるこの地震への備えと取り組みについて詳しく紹介していただきます。
続きを読む…