文と写真:杉江美子
(INR日本版 2012年夏号, p.103に掲載)
昨年3月の東日本大震災は筆舌に尽くしがたい出来事で、遠くカナダに住んでいてもニュースとともに矢継ぎ早に入ってくる映像は非常に強烈でした。
カナダの多くの友人・知人、職場の同僚が私に、日本の家族・親戚・知り合いは大丈夫か、日本は大丈夫か、何か手伝えることはないかと、幾度となく尋ねてくれました。時には知らない人まで、私が日本人であるとわかると、お悔やみと励ましの言葉をかけてくれました。私を通して日本に向けた言葉だと思います。
遠くからニュースや第三者を通じて知り得たことなど取るに足らないのでしょうが、それでも私は改めて「日本人」であることを痛感し、この出来事を通じて日本の「地域耐性」(Community Resilience)と「助け合い」の精神に驚嘆しました。
日本にいれば当たり前のことが、海外からは非常に新鮮に映り、私は単に日本人であるというだけで、そのことを誇らしく思いました。