(No.5)
完成度の高いリメイク版、心を揺さぶる旧作
『ウエスト・サイド物語』
『ウエスト・サイド・ストーリー』
岩田 健太郎
岩田 健太郎 神戸大学大学院医学研究科 教授/神戸大学医学部附属病院感染症内科 診療科長感染症内科医。『ワクチンを学び直す』『抗HIV/エイズ薬の考え方、使い方、そして飲み方ver.3』など著書多数。趣味は、映画や落語の鑑賞、スポーツ観戦など。
ウエスト・サイド・ストーリーの元ネタは?
今回、紹介する映画は2 本、と言っても原題はどちらも「West Side Story」。日本では1961 年の映画「ウエスト・サイド物語」(以下:旧作)と、2021 年の映画「ウエスト・サイド・ストーリー」(以下:リメイク版)として知られている。旧作の監督は、ロバート・ワイズとジェローム・ロビンス。リメイク版の監督は、スティーブン・スピルバーグ。
もっとも、この物語には、さらにオリジナルがある。それは、1957 年初演のブロードウェー・ミュージカルで、こちらの原案も、ジェローム・ロビンスである。というか、そもそもこの話にもオリジナルがあって、言わずとしれたウィリアム・シェークスピアの「ロミオとジュリエット」だ。この16 世紀の戯曲も、西欧の民間伝承やギリシャの神話などから着想を得ているらしい。オリジナル探求もきりがないので、このへんでやめにしておく。