『平成24年版 看護白書』刊行!テーマは「災害時における看護の力・組織の力 東日本大震災でつないだ支え合いを今後に活かす」

今年度の看護白書は2011年3月11日に発生した東日本大震災における、日本看護協会を始めとする各団体の支援活動に焦点を当て、まとめました。今回の経験から得られた課題を基に、今後の災害支援活動にどう取り組むべきなのか、示唆に富む内容になっています。

 

 

●総論の主な内容

「東日本大震災の特徴」について、室崎益輝氏(関西学院大学総合政策学部教授)が解説。

 

「公益社団法人としての日本看護協会の災害支援活動」を井伊久美子氏(日本看護協会専務理事)が報告。被災3県である「岩手、宮城、福島の県看護協会の活動」内容を、それぞれ時系列で兼田昭子氏(岩手県看護協会長)、上田笑子氏(宮城県看護協会長)、高橋京子氏(福島県看護協会長)が振り返ります。 続きを読む…

書評『事例を通して学ぶ避難所・仮設住宅の看護ケア』

評者:南 裕子(高知県立大学学長)

 

著者である黒田裕子氏は、阪神・淡路大震災の発災直後から文字どおり寝食忘れて、避難所・仮設住宅そして恒久住宅へと、時間の経過とともに場は違っても、そこに住む人々に寄り添って、創造的支援活動をされた。そして、その姿勢は東日本大震災までのほとんど全ての災害においても同じであった。 続きを読む…

書評『看護管理者のための実践的マネジメント 第2版 看護がリードする経営改善』

評者:山下 美智子 (公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院副院長・看護部長)

 

第1版が出版された2008年から、認定看護管理者研修セカンドレベルの「看護管理実践計画」を立案するために、筆者が受講者に紹介しているのが本書である。看護管理者の基本としての「経営マインド」から「組織の運営」「財務分析」まで、概念だけではなく事例を提示して解説し、管理者が「ここがわからない」という細部の問いに答える内容となっている。自部署運営の中で、私たち管理者が不得意とする医療制度や組織分析、財務分析を、現在の知識でもわかるように解説して、その必要性を説いている。

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書評『がん研が作った がんが分かる本』(公益財団法人がん研究会 監修/ロハスメディア 編集・ロハスメディア)

評者:長谷川 久巳
(国家公務員共済組合連合会虎の門病院 管理看護師長/がん看護専門看護師)

 

がん患者さんやご家族が「素人ですから」と言うことは多い。この言葉の意味は、がんという病の脅威に対する怒りや諦め、否定あるいは医療者とよい関係を築きたいという表れだったりと、さまざまなように思う。いずれにしても、患者-医療者間の情報の質と量の差は決して埋められないし、たとえ、がん医療のプロであっても当事者となれば“素人”になるものである。そのような前提の上で、あえて本書は“患者さんにも勉強してほしい”と苦言を呈している。これを、「がんという病の脅威に逃げることなく、また情報に翻弄されず、がんや医療機関、医療者とうまく付き合い、患者さんが主役となって歩んでほしい」というメッセージに違いないと本書を読み進める中で感じ取った。 続きを読む…

“震災はまだ終わっていない”被災2年目に必要な看護支援とは

昨年3月11日の東日本大震災から1年半が過ぎ、ニュースで被災地の話題が取り上げられることも少なくなってきました。しかし被災地では今でも、仮設住宅で不自由な生活をされている方が大勢います。中には、知り合いがいないので家に閉じこもっていたり、誰にも知られずに孤独死される方もいます。小社刊『避難所・仮設住宅の看護ケア』は仮設住宅で必要な看護支援について記した(現在のところ)唯一の書籍です。被災地に赴く際は、ぜひご活用ください。

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