Review『看護の時代』

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評者:喜多 悦子
(日本赤十字九州国際看護大学学長)

 

どう生きるか、どう死ぬかを
広く日本人に問うた書といえよう。

 

著者の顔ぶれにまず驚くであろう。しかも、タイトルには「看護」が謳われている。真っ先にこの本に手を伸ばすのは看護者であろうが、これは看護や保健医療専門家だけに向けた本ではない。医療の質的転換という変革の時代を広く世間一般と共有し、新たな時代を共に創造していくための指標となる書である。 続きを読む…

書評『看護の事業所 開設ガイドQ&A 地域でチャレンジするすべてのナースへ』

看護の事業所評者:椎名 美恵子(しいな みえこ)
訪問看護ステーションみけ管理者

 

約10年前、私自身も会社を設立し、訪問看護ステーションを開業しました。訪問看護ステーションの管理者経験もあり、長年働いている地域での開設であったため、地域文化やサービス体制などは、かなり熟知していました。しかし、“会社をつくること”や“経営”等については全くの初心者でした。数々の起業・経営の本を読み、就業規定や給与規定は弁護士や会計士に相談し、労働基準監督署へ行き、資金面では銀行に相談しながらの開業となりました。

 

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本物のケア求め、いつみさんの旅は続く 「枠にはめる」のは終わり、「ケアは人なり」へ 日本とデンマークの高齢者ケアワーカー――いつみ・ラワーセンさん

写真1    スポー高齢者住宅。外光を取り入れる設計で緑の庭が広がる

 

 

写真2

    利用者さんを囲んで、同僚ケアワーカーといつみさん

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)

 

 いつみさんは、毎年2月ころには日本に里帰り。地元九州で「高齢者ケア」についての講演やセミナーも行います。関心のある方は、村上までご連絡を! mkimiko@mbf.nifty.com

〈最新情報〉

 来る3月9日土曜日の午後、いつみさんに会えます!。日本に一時帰国を利用して、秋山正子さんの「暮らしの保健室」で、高齢者ケアについて語り合う「お茶会」を計画中。ホームホスピス宮崎の市原美穂さんもご参加です。関心ある方は、早めに、村上までご連絡を!

 本連載第4回(2010年1月号)に登場した「NPO法人ホームホスピス宮崎 かあさんの家」(市原美穂理事長)の最初のスタッフ、いつみ・ラワーセンさんは、今、デンマークでケア付き高齢者住宅のケアワーカーとして働いています。日本とデンマーク、いつもどこでも、本物のケアを自由闊達に求めるいつみさん。その旅路を追いました。

 10年ほど前の九州・宮崎市。妻を亡くして1人暮らしのUさんの認知症の症状が激しくなり、近所に住む息子夫婦は疲れきっていました。そして、市原美穂さんに「家ごと提供するので、何とかならないか」と相談したのです。 続きを読む…

「コミュニティケア」2013年1月号、好評発売中です!

看護の“力”がさらに生かせる!

 

“複合型サービス”を始めよう

 

 

訪問看護師&特養看護職のための専門誌「コミュニティケア」。2013年の始まりは“複合型サービス”の大特集です。

 

CC-表4背1112 [更新済み]

“複合型サービス”は介護保険のサービスの1つで、「訪問看護を基盤とした小規模多機能型居宅介護サービス」です。

 

このサービス、利用者・家族の満足度を高めることはもちろん、週に数回の訪問という“点”でしか看護を提供できなかった訪問看護師が、小規模多機能の泊まり機能を利用して“線”で看護を提供できる画期的なもの。ナース自身のやりがいにも直結するサービスです。

 

日本看護協会が提案して、介護保険で制度化されたサービスだけに、“看護のマインド”にあふれるこの“複合型サービス”の概要が、「コミュニティケア」1月号の特集を読めば、簡単に素早く理解できます! 興味のあるナースは、ぜひ読んでみてください。

 

詳細はこちらをご覧ください!

最新の知識と情報を満載してリニューアル!  訪問看護ステーションの開設・運営にチャレンジする看護職を応援します!! 『新版 訪問看護ステーション開設・運営・評価マニュアル 第2版』

佐藤 美穂子さん
(公益財団法人日本訪問看護財団常務理事)

 


1972年高知県立高知女子大学家政学部衛生看護学科卒業。同大学助手を経て、1973年東京白十字病院、1986年日本看護協会訪問看護開発室、1995年旧厚生省訪問看護係長、介護技術専門官、看護専門官を経て2001年より財団法人日本訪問看護振興財団(現公益財団法人日本訪問看護財団)事務局次長、2002年より現職。


 

地域包括ケアシステムの充実を目指し、予防から看取りまで、地域に開かれた看護サービスの拠点として、ますます期待される訪問看護ステーション。その開設・運営・評価に欠かせない知識や情報を収載した本書が“新版第2版”として久々に改訂されました。本書の監修・執筆者である日本訪問看護財団常務理事の佐藤美穂子さんに、初版発行の経緯や今回の改訂のねらい、さらに訪問看護や在宅医療をめぐる動きと今後の展望についても伺いました。

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