「退院したら認知症が悪化していた」とならないために 急性期病院での認知症高齢者の ケアの質向上に向けて

認知症高齢者のケア

パーソン・センタードな視点から進める

急性期病院で治療を受ける
認知症高齢者のケア

入院時から退院後の地域連携まで

 

 人口の高齢化が進む現在、急性期病院に入院してきた高齢者が認知症だったということは珍しくなくなってきました。しかし急性期病院のスタッフは、認知症に関する知識が少なかったり、認知症高齢者に慣れていないことが多く、認知症の行動・心理症状を起こす患者の対応に苦慮しています。身体拘束や無視など医療者の不適切な行為により認知症の症状が悪化し、身体的疾患の治療を終えても入院前の生活場所へ戻ることができないケースも増えています。しかし、急性期病院でも、認知症高齢者の視点を尊重したケアと工夫により、認知症の症状を悪化させずに治療を行うことができます。
 小社刊『急性期病院で治療を受ける認知症高齢者のケア』では、急性期病院での認知症高齢者に対するさまざまな取り組みについて紹介しています。

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NT2014年4月号連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】紹介

NT2014年4月号の連載

【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】のテーマは、

 

〈各日常生活行動を営むための形態と機能〉

お風呂に入る

 

「お風呂に入る」の看護形態機能学視点のヘルスアセスメントでは、従来のフィジカルアセスメントに以下のような視点が加わります。

 

1402ヘルスお風呂

[執筆]大橋 久美子(聖路加看護大学基礎看護学助教)

 

NT4月号のその他の内容はこちらから

NT2014年4月号連載【チームづくりのお悩み相談】紹介

NT1404表紙NT2014年4月号の

【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、

 

「ケアの遵守をめぐり〝守る派〟と〝守らない派〟に分かれ、ギクシャクしています…」

 

 

 

 

「コンフリクトは組織が成長している証し」と昨年の4月号で述べましたが、このような状態を放置してはいられません。今回は、昨年の4月号と6月号で学んだ内容を参考に、事例を検討していきたいと思います。

 

事例 ▶ 看護の充実に向けてトランスファー(移動)の手順について、バイオメカニクスを活用した内容に変更したはずなのに、「遵守しない看護助手がいる」と別の看護助手からリーダーにクレームがありました。お互い指摘し合うことはありませんが、徐々に「守る派」と「守らない派」に分かれコミュニケーションがギクシャクしてきました。仕事にも影響が出るのではないかと懸念しています。

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ナーシング・トゥデイ4月号特集 誌上コンサルテーションシリーズ⑦ 見逃さない! 高齢者の急変

 

NT1404表紙4月号の特集テーマは「見逃さない! 高齢者の急変」です。

 

高齢者は病歴がわかりにくかったり、訴えがあいまいだったりして急変が見逃されることもあります。高齢者の急変を予測・発見し、対応するには、高齢者の身体的・生理的特徴の理解が欠かせません。特集では、高齢者の急変の特徴、高齢者に起こりやすい誤嚥や転倒・骨折、発熱、嘔吐などの急変とその対応をご紹介します。後半では「病歴聴取から急変を判断したケース」「施設で救急搬送を判断したケース」など5つの誌上コンサルテーションを掲載いたします。

 

 

監修:道又元裕

(杏林大学医学部付属病院看護部長)

 

高齢者における急変の特徴

西塔依久美

(武蔵野赤十字病院/救急看護認定看護師)

 

高齢者に起こりやすい急変とその対応

 

①意識障害

佐野成美(聖路加国際病院/救急看護認定看護師)

 

②胸痛

福士博之(JA北海道厚生連帯広厚生病院/救急看護認定看護師)

 

③窒息

上條恵子(帝京大学医学部附属病院/救急看護認定看護師)

 

④誤嚥

古沢身佳子(東京慈恵会医科大学附属第三病院/救急看護認定看護師)

 

⑤発熱

平山幸枝(帝京大学医学部附属病院/救急看護認定看護師)

 

⑥嘔吐

髙西弘美(高槻病院/救急看護認定看護師)

 

⑦転倒・骨折(高槻病院/救急看護認定看護師)

山﨑祐嗣

 

⑧腹痛(浜松医療センター/救急看護認定看護師)

笠原真弓

 

⑨麻痺(国立病院機構災害医療センター/救急看護認定看護師)

下河辺政子

 

高齢者と救急にまつわる問題点
後藤順一(河北総合病院/急性・重症患者看護専門看護師)

 

 

困難事例の誌上コンサルテーション

 

1 訴えがあいまいなケース①なんとなく元気がない

伊藤大輔

(姫路聖マリア病院/認知症看護認定看護師)

 

2  訴えがあいまいなケース②熱っぽい気がする

伊藤大輔

(姫路聖マリア病院/認知症看護認定看護師)

 

3 認知症患者が急変したケース

髙原 昭

(北播磨総合医療センター/認知症看護認定看護師)

 

4 病歴聴取から急変を判断したケース

紺原由美子

(市立岸和田市民病院/救急看護認定看護師)

 

5 施設で救急搬送を判断したケース

小笠原美奈

(秋田赤十字病院/救急看護認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師)

 

NT4月号のその他の内容はこちらから

NT2014年4月号連載【アセスメント力を高めるフットケア】紹介

NT1404表紙NT2014年4月号の

【アセスメント力を高めるフットケア】は、

 

「足の骨を理解する」

 

今月から新しく「アセスメント力を高めるフットケア」が始まりました。6回にわたり「知ればわかる!楽しくなる!」をモットーに書かせていただきますので、どうぞよろしくお付き合いください。

 

1回目は、「足の骨の解剖生理」についてです。実は私、解剖生理はあまり得意ではありません。大学時代に唯一赤点を取ったのが、解剖生理学でした。しかし、看護師としての経験を積めば積むほど、解剖生理の大切さを痛感します。足をみるときも同様です。そこで、「赤点をとった私だからこそ、きっとわかりやすく伝えることができる!」という勝手な自負のもと、今回のテーマを進めていきたいと思います。

 

足ってどこ?

 

当たり前のような質問ですが、正しく答えることができますか? 患者さんから「足が痛い」と言われた時に、その部位をすぐに正確に連想できますか? つま先、かかと、ふくらはぎ等、具体的な部位を言われるとぱっとイメージができますが、「足」が指す範囲は、思った以上に広いです。一般に言う「足」は、医学的に言うと「大腿部」「下腿部」「足部」に大別できます(図1)。ですので、患者さんの言うその部位を正確に知るには、より具体的な情報が必要になります。

 

今回の連載でお伝えする内容は、主に「足部」となります。足部とは、足関節より末梢の部分のことを言い、くるぶしの上端あたりから足趾先端までを指します。ちなみに足関節は、脛骨、腓骨の骨端(遠位端)と距骨の頭側(近位端)からなる部分です。距腿関節とも言います。そして、内果は脛骨の遠位端、外果は腓骨の遠位端です。

 

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