インスリン療法を行う 糖尿病患者のQOL向上をめざして

糖尿病看護BP表紙厚生労働省の「平成24年国民健康・栄養調査」の推計では、糖尿病が強く疑われる成人男女が約950万人に上ることが明らかになりました。前回の調査(2007年)から5年で約60万人増えています。また、「糖尿病が強く疑われる者」のうち約3割は治療を受けていないこともわかっています。糖尿病が自覚症状に乏しいこと、糖尿病と診断されて医療者から指示された食事療法や運動療法が厳しく、継続が難しいことなどが原因として挙げられます。

 

小社刊『糖尿病看護ベストプラクティス インスリン療法』は、インスリン療法を行う糖尿病患者への支援に焦点を当て、継続可能なインスリン療法の導入から治療継続のための支援、所属施設での活動について、糖尿病看護のエキスパートの実践を基に詳しく解説しています。

 

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地域包括ケアのもと“住み慣れた地域で暮らし続ける”ことを支えるために、 病院の看護師と訪問看護師が看護をつないでいきましょう

宇都宮宏子+本4c

宇都宮 宏子さん
(うつのみや・ひろこ)
在宅ケア移行支援研究所
宇都宮宏子オフィス代表
1980年京都大学医療技術短期大学部看護学科卒業後、医療機関勤務を経て、高松で訪問看護を経験し、1993年京都の訪問看護ステーションに勤務。介護保険制度創設時はケアマネジャー・在宅サービスの管理・指導者を務める。2002年より京都大学医学部附属病院で退院調整看護師として勤務。2012年4月に「在宅ケア移行支援研究所」を立ち上げ、医療機関の在宅療養移行支援や地域の在宅医療コーディネーター事業のコンサルテーションを行う

 

看護がつながる在宅療養移行支援

退院直後の療養生活が不安定な時期に、医療や看護・ケアを適切にかつ集中的に提供し、患者さんや家族を支え、療養生活を安定させることが大きな課題となっています。この移行期における看護ケアのマネジメントをまとめたのが『看護がつながる在宅療養移行支援』

 

本書に込めた思いや読みどころを、編者の1人である宇都宮宏子さんにうかがいました。

 

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CC2014年7月号掲載【高齢者の持てる力を生かし“支えられる人”から“支え合う人”へ那須塩原市の「街中サロンなじみ庵」—— 飯島惠子さん】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.31〉
【高齢者の持てる力を生かし“支えられる人”から“支え合う人”へ

那須塩原市の「街中サロンなじみ庵」—— 飯島惠子さん】

  

写真2

写真 ‌“賭けない、吸わない”の健康麻雀の様子

 

 

文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)

今年の前半は『患者の目線――医療関係者が患者・家族になってわかったこと』(医学書院)の編集で大変でした。でも、19人の執筆者の皆さんの実体験ドキュメンタリーレポートが大好評でホッとしています。

 今日行ける場があって、今日すべき用事があって、見守ってくれる仲間がいれば、たとえ高齢でも認知症があっても、“支えられるだけの人”ではなく、“互いに支え合う人”になれる――そんな居場所「街中サロンなじみ庵」を実現した飯島惠子さんを訪ねました。 続きを読む…

ナーシング・トゥデイ8月号特集 誌上コンサルテーションシリーズ⑨ 疾患別「つらくない」「痛くない」褥瘡ケア 

1408hyoshiOL8月号の特集テーマは

「疾患別「つらくない」「痛くない」

褥瘡ケア」です。

 

2013年8月号の特集では“「つらくない」「痛くない」褥瘡ケア”をテーマとして、これまであまり意識されてこなかった「疼痛緩和に配慮した褥瘡ケア」の基本を取り上げました。本特集では、がん、脳卒中など患者の背景にある疾患の特徴を踏まえた「つらさ」と「痛み」に配慮した褥瘡ケアを考えます。また、後半では困難事例を取り上げ、コンサルテーションを行います。

 

監修:祖父江正代

(JA愛知厚生連江南厚生病院/がん看護専門看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

患者が抱える「つらさ」「痛み」のアセスメントの視点

祖父江正代

 

患者の背景にある疾患の特徴を踏まえた

「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケアの実践

 

がん患者が抱える「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア

祖父江正代

 

脳卒中患者が抱える「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア

小林陽子(東京都健康長寿医療センター/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

心不全患者が抱える「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア

志村知子(日本医科大学付属病院/急性・重症患者看護専門看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

慢性腎不全患者が抱える「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア

丹波光子(杏林大学医学部付属病院/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

脊髄損傷患者が抱える「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア

木下幸子(金沢医科大学看護学部講師/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

慢性関節リウマチ患者が抱える

「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア

近藤貴代(JA愛知厚生連知多厚生病院/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 

認知症患者が抱える「つらさ」「痛み」に配慮した褥瘡ケア
小林陽子

 

 

困難事例の誌上コンサルテーション

 

1 身体の痛みの緩和と褥瘡ケアとの間でジレンマを感じるケース

祖父江正代

 

2 息苦しさによるつらさの緩和と褥瘡ケアとの間でジレンマを感じるケース

志村知子

 

3 循環動態の安定のための安静と褥瘡ケアとの間で

ジレンマを感じるケース
志村知子

 

4 離床・自立と褥瘡ケアとの間でジレンマを感じるケース
木下幸子

 

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NT2014年8月号連載【チームづくりのお悩み相談】紹介

1408hyoshiOLNT2014年8月号の

【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、

 

「チーム内で毎回のように新人からの

〝臨機応変な報告がない〟という
不満があがっています」

 

おそらく「臨機応変な報告」は「できる」の認識には微妙な相違があると思います。また、報告は仕事の力量が上がるスピードと比例するように経験を通して徐々に上達します。最も重要なことは報告・連絡・相談のスキルの育つプロセスについてチーム内の認識を一致させることではないでしょうか。

 

報告・連絡・相談のスキルは経験を通して学びとる

 

新人からよく「どんな小さなことでも報告をするようにと言われたので報告をすると『そんなどうでもいいことを多忙な今、報告しなくてもいい』と叱られた。そこで、忙しそうなので報告を控えていたら『報告をしない』と叱られ、頭がゴチャゴチャになりました」という悩みをよく聞きます。

 

一方で新人の時を振り返り、「私のプリセプターはどのような報告も受け止めてくださいました。ただ、私の報告を受ける様子があまり真剣ではない、受けた後の先輩が特別その情報を気に留めていないことから『今の報告はあまり重要ではなかったのかも』と気づくことがありました」と少しずつ報告をするスキルを身につけた様子を伝えてくれる先輩もいました。教えることは一時ですが、経験から本人が学びとるには数年かかります。

 

報告のラダーで成長段階を共有する

 

表1は、筆者が独自に作成して使用している報告・連絡・相談スキルのラダーです。

 

私たちは「相手にリクエストされた通りに報告する」から「仕事の状態を見て必要な情報を報告する」になり「チーム全体のことを思って自発的に報告をする」ことができることを一人前に育つと考えます。さらに上級者は「チームの人間関係までも考えて報告のタイミング、ルートや方法まで検討する」、熟達者は「世の中やチームの変化を察し、直感でチームや上司に必要な報告をしている」と言えるでしょう。まずはこの報告・連絡・相談のスキルの成長段階をチーム全体で共有することが必要です。(続く)

 

[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)

 

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