ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動をしたくなるように促す設計のこと。この連載では、3人の医療職をめざす学生がナッジを学ぶ姿を通して、看護・介護に役立つヒントを示します。
タイミング次第で行動は変わる
竹林 正樹
たけばやし まさき
青森大学 客員教授/行動経済学研究者
竹林 人はストレスがたまった状態では自暴自棄な判断をしやすく、逆に、リラックスした状態では合理的な判断ができるものです。相手の最適なタイミングを見計らって行動を促す手法が「Timelyナッジ」です。Timelyナッジを活用するためのポイントを3つ紹介します。
ポイントその1:行動を促すタイミング
竹林 金田君が社会人になったと想定します。職場の人に「健康づくりに向けた動画を作成したので見てください」と一斉メールするとしたら、A朝9時、B正午、C夕方5時のうち、いつがよいでしょうか?