
喪失と死を共に受けとめ、助けあって生きる
コンパッション都市・コミュニティへの招待
竹之内 裕文
静岡大学未来社会デザイン機構副機構長
農学部・創造科学技術大学院 教授
第2回:なぜコンパッション都市・コミュニティなのか
今回は、コンパッション都市・コミュニティが求められる理由について、アラン・ケレハーの『コンパッション都市 公衆衛生と終末期ケアの融合』(以下、『コンパッション都市』)に即して、掘り下げて考えます。
予め展望を示しておくことにしましょう。なぜコンパッション都市・コミュニティが必要なのか。それは喪失と死の多様な経験をわかちあい、助けあって生きる社会、つまり喪失と死の多様な経験を包摂する社会を築くためです。これを実現するためには、従来のエンドオブライフケアとパブリックヘルスでは不十分であり、これらを批判的に発展させ、コンパッション都市・コミュニティを築く必要があります。










