「倫理」と聞くと“難解なもの、敬遠したいもの”と感じる人も多いようですが、医療者は日々のケアの中で倫理的問題に対応しています。「患者さんにとって少しでもよい道を見いだそう」と努力していく中で、さまざまな困難な問題にぶつかり、どうしたらよいかと迷うこともあるでしょう。
医療者はどのように患者を尊重し、その人らしい生き方ができるようにサポートしていけばよいのでしょうか。
弊社刊『臨床倫理ベーシックレッスン』は、臨床現場でよく遭遇する身近な事例について、皆で考え、迷った記録です。
「倫理」と聞くと“難解なもの、敬遠したいもの”と感じる人も多いようですが、医療者は日々のケアの中で倫理的問題に対応しています。「患者さんにとって少しでもよい道を見いだそう」と努力していく中で、さまざまな困難な問題にぶつかり、どうしたらよいかと迷うこともあるでしょう。
医療者はどのように患者を尊重し、その人らしい生き方ができるようにサポートしていけばよいのでしょうか。
弊社刊『臨床倫理ベーシックレッスン』は、臨床現場でよく遭遇する身近な事例について、皆で考え、迷った記録です。
文:野地 有子(千葉大学大学院看護学研究科教授)
「看護研究は何のためにするの?」と聞かれて、あなたならどのように答えますか。「実際にはどのように取り組んだらいいの?」と立ち止まってしまうことはありませんか。本書は、質的研究方法の世界的第一人者のジャニス・M. モース氏とペギー・アン・フィールド氏による、質的研究を実際に始めるためのガイドです。具体例が豊富で、質的研究方法の“経験”を味わうことができる本書について、翻訳者である野地有子氏にご紹介いただきました。
評者:久保田 聰美(近森病院看護部長)
退院支援・退院調整は誰のためにしているのだろうか。「もちろん、患者さんやご家族のためですよ」と現場の担当者は答えるだろう。「病院経営のためにも重要でしょう」と管理者は答えるかもしれない。「診療報酬でも評価されましたから」と聞くと少し切ない気持ちになるのは私だけだろうか。もちろん、診療報酬で評価されたことには大きな意味がある。それだけ社会的な要望も強いのだろう。だからこそ、在院日数の短縮だけが目標ではないはず……。そんな思いを抱いている看護管理者にこそ、この本をお勧めしたい。
評者:吉田 澄恵(東京女子医科大学看護学部准教授)
とかく看護職は、現場で遭遇する「問題」への「答」というものを書物に求めるのではないだろうか。しかし、本書は「社会学からのアプローチ」である。社会学は、人々が当たり前と見ている物事について、それを捉え直す視点をプレゼントしてくれる学問だと思う。
だから、本書を読むと、私たちが現場で「チーム医療」という言葉を使いながら、“心通じる”とか、“話が通じない”という気持ちになる状況が、なるほどとわかる。それも実にシンプルな「専門性志向」「患者志向」「職種構成志向」「協働志向」という4要素だけで。しかも、その説明がかなりリッチだ。そして、だからこそ、むしろはっきりと、「チーム医療」という言葉を使っても、本当は何も変わらないかもしれないという事実をも突きつけられる。「答」はないことも。
評者:畠山 とも子(福島県立医科大学看護学部准教授)
本書は、楽しく、生き生きとした職場をつくるための指南書です。「フィッシュ!」とは文字どおり「魚」です。かつて元気なく、報酬だけのために1日をやり過ごしていたアメリカ・シアトルのある魚屋が、新たな経営管理を導入したことで活気ある楽しい職場に変化し、優良市場に変化したのです。その「フィッシュ!」哲学、①態度を選ぶ、②仕事を楽しむ、③人を喜ばせる、④相手に注意を向ける、という4つの原理が説明されています。