【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、
「チーム内で毎回のように新人からの
〝臨機応変な報告がない〟という
不満があがっています」
おそらく「臨機応変な報告」は「できる」の認識には微妙な相違があると思います。また、報告は仕事の力量が上がるスピードと比例するように経験を通して徐々に上達します。最も重要なことは報告・連絡・相談のスキルの育つプロセスについてチーム内の認識を一致させることではないでしょうか。
報告・連絡・相談のスキルは経験を通して学びとる
新人からよく「どんな小さなことでも報告をするようにと言われたので報告をすると『そんなどうでもいいことを多忙な今、報告しなくてもいい』と叱られた。そこで、忙しそうなので報告を控えていたら『報告をしない』と叱られ、頭がゴチャゴチャになりました」という悩みをよく聞きます。
一方で新人の時を振り返り、「私のプリセプターはどのような報告も受け止めてくださいました。ただ、私の報告を受ける様子があまり真剣ではない、受けた後の先輩が特別その情報を気に留めていないことから『今の報告はあまり重要ではなかったのかも』と気づくことがありました」と少しずつ報告をするスキルを身につけた様子を伝えてくれる先輩もいました。教えることは一時ですが、経験から本人が学びとるには数年かかります。
報告のラダーで成長段階を共有する
表1は、筆者が独自に作成して使用している報告・連絡・相談スキルのラダーです。
私たちは「相手にリクエストされた通りに報告する」から「仕事の状態を見て必要な情報を報告する」になり「チーム全体のことを思って自発的に報告をする」ことができることを一人前に育つと考えます。さらに上級者は「チームの人間関係までも考えて報告のタイミング、ルートや方法まで検討する」、熟達者は「世の中やチームの変化を察し、直感でチームや上司に必要な報告をしている」と言えるでしょう。まずはこの報告・連絡・相談のスキルの成長段階をチーム全体で共有することが必要です。(続く)
[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)
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