NT2014年6月号連載【チームづくりのお悩み相談】紹介

NT1406表紙NT2014年6月号の

【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、

 

「看護補助者を申し送りに参加させることに消極的なメンバーがいます」

 

事例 ▶ 急性期病棟でも看護補助者が4月から増えました。上司からは「主体的な役割遂行をお願いするためにも申し送りに参加していただきましょう」との方針が出されています。が「看護補助者は無資格なので勝手に動かないでほしい」と申し送りに参加させることにも消極的なメンバーがいてうまくいきません。

 

チームの周囲で起きているパラダイムシフトについて学ぶ

 

ある時代・集団を支配する考え方や規範が変わることをパラダイムシフト(paradigm shift)と言います。平成24年度に厚生労働省が看護職員確保対策特別事業を示したことから、急性期病院における看護補助者活用に対するパラダイムシフトが進んだと考えられます。

 

つまり、それ以前は急性期病院においては「有資格者の配置こそが看護サービスの質向上のためには重要」「無資格者は看護師の指示で補助業務のみを行う」との考え方でした。それが一転して、「有資格者が専門性を発揮するには無資格者でも担える役割を明確に分離し、高度に連携し合うチーム医療の体制が重要」と無資格者も目標を持って主体的に働いてもら うと考え方がシフトしました。図1のようなイメージになります。

図1の②の状態について具体的な行動を例に挙げて説明すると、「食事介助など実施記録は看護補助者自身で記入する」「申し送りに参加し患者情報を共有した上で看護補助者はオムツの当て方にも工夫をする」
などです。

 

このような考え方は、老人保健施設では当たり前のことですが、急性期病院においては天動説から地動説へ考え方がシフトしたような衝撃を覚える方々も少なくないでしょう。(続く)

 

[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)

 

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