スタッフナースの意見を組織運営に取り入れる
「ナースの代表者会議」の10年のあゆみ
鈴木 千晴 ● すずき ちはる
聖路加国際病院副院長・看護部長
[略歴]
聖路加看護大学(当時)看護学部看護学科卒業、同大学大学院看護学研究科修士課程修了。2007年聖路加国際病院ICU/CCUナースマネジャー、2011年同院心血管センター/ICCU/IMCUナースマネジャー、2017年同院副看護部長を経て、2019年4月より現職。
聖路加国際病院看護部は、マグネット認証の取得に向けて活動を開始したことをきっかけに「ナースの代表者会議」を発足。その活動の経緯と成果を報告します。
聖路加国際病院(以下:当院)では、医療と看護の質の可視化と改善に取り組んでおり、その一環として、マグネット認証(Magnet Recognition®)の取得や4年ごとの更新に向けて活動してきました。マグネット認証とは、アメリカ看護師認証センターが質の高い看護ケアを提供する医療機関に与えるもので国際的な認証プログラムとなっています。この認証の名称に「磁石(Magnet)」とあるように、これは単に看護の質向上だけを目的としたものではなく、看護師が生き生きと働くことができ、引きつけられる組織づくりを進めるためのものでもあります。
本稿で紹介する「ナースの代表者会議」は、当院が取り組んできた上記の活動の中で発足し、その成果は、多くのよい変化をもたらしました。当院のある職員は、この変化を、看護部にとっての「コペルニクス的転回」と表現しました。この会議の誕生の経緯から10年の活動について述べます。