行動変容をそっと促す ナッジを使ったアプローチ⑯

ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動をしたくなるように促す設計のこと。この連載では、3人の医療職をめざす学生がナッジを学ぶ姿を通して、看護・介護に役立つヒントを示します。

 

医療現場で使えるナッジは?

 

竹林 正樹

たけばやし まさき

青森大学 客員教授/行動経済学研究者

 

[今月のゲストスピーカー]

小池 智子

こいけ ともこ

慶応義塾大学看護医療学部 准教授・

健康マネジメント研究科 准教授/看護師

 

 

竹林 今回は、看護分野におけるナッジ実践の第一人者である小池智子先生(慶應義塾大学看護医療学部)に登場していただきます。私が以前、小池先生が主催する「医療・介護勤務環境改善ナッジ研究会」に登壇させていただいたご縁で、今回の対談を企画しました。それでは、難波さんから質問をお願いします。

 

残業や早過ぎる出勤を減らすナッジ

 

難波 小池先生、よろしくお願いします。看護師は残業が多いという印象があります。医療現場の残業削減にナッジは使えますか?

 

小池 医療現場では残業時間削減の流れが加速していますが、残業がなかなか減らない看護師もいます。「残業はしないほうがよい」とわかっている人に対しては、ナッジが活用できます。1つ目のナッジとして、残業が少ないチームに“ノー残業手当”を支給することが考えられます。

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2023年10月号)