怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。
アンガーマネジメント上達への一歩①
「アンガーログ」
光前 麻由美●みつまえ まゆみ
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントコンサルタント
独立行政法人国立病院機構神奈川病院 看護師
実践の効果を高めるために
ぜひ取り入れてほしいこと
これまでさまざまな事例を挙げながら、アンガーマネジメント的な考え方や怒りの対処法について具体的に紹介してきました。「自分にも思い当たる節がある」「まわりにそういう人がいる」と感じた人もいるのではないでしょうか。また、「今までは気に留めていなかったが、実際に取り組んでみて“言いたいことを言えずに我慢していたときが多かった”と気づいた」という人もいるかもしれません。
私自身、アンガーマネジメントを実践する中で新たな発見がいくつもありました。そのうちの1つが、「思っていた以上に自分は怒っていることが多い」ということです。これは、アンガーマネジメントの軸となる「アンガーログ」を書くことにより、自分の怒りの傾向やパターンがわかったことが大きな理由です。アンガーマネジメントに出会って10年経ちますが、その間、アンガーマネジメント的にうまくいったこともあれば、そうはいかなかったこともたくさんありました。今でこそ講演活動をしたり、こうして原稿を執筆したりしていますが、アンガーマネジメントを始めたころは知識不足も相まって、思うようにいかないことの連続でした。その私が10年間続けてきた中で気づいたのは、効果を感じるには繰り返しの実践が大切であるということです。
アンガーマネジメントの上達には、アンガーマネジメントにおける3つのコントロール(衝動のコントロール・思考のコントロール・行動のコントロール)を日々実践することが重要です。そこで欠かせないのが、今号のテーマである「アンガーログ」です。
皆さんは、アンガーログを書いていますか?
アンガーログの効果を感じていますか? もし、思ったよりうまくいっていない人は、21日間書き続けてみてください。なんでも21日間続ければ習慣化する、という“21日間の法則”があります。アンガーマネジメント協会でも「アンガーマネジメントの21日間トレーニング」という方法があり、その中で毎日取り組むトレーニングとしてアンガーログを紹介しています。
→続きは本誌で(コミュニティケア2021年10月号)